ロシアとウクライナ、和平に進展なし 今後の協議も難航必至
ロシアのウクライナ侵攻を巡る両国の高官級の直接協議が16日、トルコ・イスタンブールで開かれ、双方は1000人規模ずつの捕虜交換で合意した。和平に向けた進展はなかったとみられる。両国は今後も交渉を続ける方針だが、ウクライナ側が無条件での30日間の停戦を要求する一方で、露側は占領地域などに関して強硬な姿勢を示しており難航は必至だ。
協議は、仲介役のトルコも参加し、約1時間50分で終了した。トルコ外相によると両国は再度協議することで合意したという。
露側の代表団を率いたメジンスキー大統領補佐官は協議後、「全体として結果に満足しており、今後も接触を続ける準備がある」とする声明を読み上げた。両国が将来的な停戦の可能性について見解を示した上で、交渉を継続することで合意したとも明らかにした。
ウクライナ側の代表団トップを務めたウメロフ国防相は協議後の記者会見で、露側に対して両国の首脳会談の実施を要請したと説明。「首脳レベルでないと解決できない問題が多数ある」と強調した。
ウクライナメディア「キーウ・インディペンデント」によると、露側の要求には一方的に併合を宣言したウクライナ南・東部4州からのウクライナ軍の撤退などが含まれていたという。露側は強硬な姿勢で協議に臨んだとみられる。ウクライナ外務省の報道官は協議後、受け入れられない要求が多数あったと明かした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、協議に先立ち、無条件の停戦を「最優先事項」と位置づけ、露側が停戦に合意しない場合は、エネルギーと金融の両分野で強力な追加制裁が科されるべきだと訴えていた。ゼレンスキー氏は協議終了後、訪問先のアルバニアであった欧州首脳の会合に合わせ、英独仏ポーランドの4首脳とともにトランプ米大統領と電話協議し、ロシアへの追加制裁を求めた。
停戦交渉を呼びかけるトランプ氏もロシアとウクライナの協議に参加する意向を示していたが、プーチン露大統領が出席に応じず、実現しなかった。米側は今後、米露の首脳会談に向けて調整を図るとみられるが、露側は「かなりの事前準備が必要」との見方を示している。
ロシアとウクライナの直接協議は全面侵攻開始直後の2022年2~3月に開かれて以来、約3年2カ月ぶりに行われた。【モスクワ山衛守剛、ベルリン五十嵐朋子、イスタンブール金子淳】
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