卒業式でガザ「ジェノサイド」非難の学生 米NY大学が卒業保留

2025/05/17 05:00 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米東部の有名私大のニューヨーク大学は、卒業式のスピーチでパレスチナ自治区ガザ地区での「ジェノサイド(大量虐殺)」を非難した学生への卒業証書の授与を差し止めた。米国の大学では、学生らによる親パレスチナの抗議運動への対応が政治問題化しており、言論の自由を巡る論争が続いている。

 米メディアによると、14日にあった学部単位の式典で、卒業生を代表して演説した学生が、ガザにおけるイスラエル軍の行動を繰り返し「ジェノサイド」と呼び、米政府による「政治的、軍事的な支援」にも批判の矛先を向けた。

 会場からは大きな歓声と拍手が起きる一方、内容に反対する叫び声も聞かれたという。学生は文化批評と政治学を専攻していた。

 大学は14日の声明で「立場を悪用し、個人的かつ一方的な政治的見解を述べた学生の判断を強く非難する」と述べた。スピーチの内容について学生が事前に学校側へ「うそ」を伝え、規則を破ったとして、処分を検討する間は卒業証書の授与を差し止めると明らかにした。大学全体の卒業式は15日に行われた。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース