藤井聡太名人「読みの精度足りなかった」 名人戦第4局指し直し局

2025/05/19 05:00 

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 大分県宇佐市の宇佐神宮で指された第83期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の第4局指し直し局は18日、双方1分将棋の激闘の末、藤井聡太名人(22)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に敗れた。終局後、藤井名人は「読みの精度がかなり足りなかった」と終盤に競り負けたことに反省しきりだった。終局後の報道陣との主なやり取りは次の通り。【丸山進、新土居仁昌】

 ◇夕休の局面「かなり怖かった」

 ――指し直し局で15分考えて7五歩(28手目)と戦端を開いた。

 藤井名人 6九玉(27手目)と寄られて手を入れるというのも、そんなにしっくりする手がない気がしたので動いていった。その後、銀交換にいったのはよくなかったかなと思います。本譜は自信のない展開になってしまったので、継ぎ歩をされたところでもうちょっと違う指し方をもっと考えるべきだったと思っています。

 ――夕方の休憩前の7一銀(62手目)あたりの形勢判断は。

 ◆その手前の5四角(52手目)と打ったあたりは楽しみも出てきたのかなと思っていた。その後、8三角(57手目)と打たれた時に手が広いかなと思ったんですけど、何を選べばいいか分からなくて、夕休の局面で飛車を持たれてしまっているので、かなり怖い局面かなと思っていました。

 ◇先手からの詰めろ誤算

 ――形勢が二転三転したが、終盤はどういう判断だったか。

 ◆9五香~同香~同金(79~81手目)の局面はこちらに手段がありそうかなと思っていたけど、3五香(82手目)が急所を外した手で、そこは単に9八馬と入るべきだったかなと思います。その後、読み抜けというか、4一と~7六香(99~101手目)で詰めろが続いてしまうのが誤算で、その前後は読みの精度がかなり足りなかったかなという気がします。

 ――形勢逆転、再逆転は認識していたか。

 ◆最終盤は時間がないので分からないところが多かったですけど、ただ全体的に流れが悪いとは思っていたので、もっとその手前でしっかりと指す必要があったと思います。

 ――負けにしてしまったという手は。

 ◆7六香~7三桂打~8四金(101~103手目)に9六角が利くかどうかと思い、利かないと思って5二銀(104手目)と打ったんですけど、打ってからは攻め駒が足りなくて余されてしまう形になってしまったかなという気がします。

 ――指し直し局全体を振り返って。

 ◆中盤戦に入ったあたりは少し苦しめの形にしてしまったという気がしたので、最初の段階の対応というところは課題が残ったかなと思います。その後は楽しみが出てきた局面もあったと思うんですけど、そこでも正確に指すことができなかったので、全体的に読みの精度が足りていなかったと感じています。

 ――第5局にむけて一言。

 ◆千日手局も含めて、内容としてもよくなかったかなと思うので、第5局ではよい将棋が指せるように頑張りたいと思います。

毎日新聞

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