報道写真展「戦争と平和」 被爆80年、開戦前夜からたどる歴史

2025/06/15 05:15 

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 報道写真展「戦争と平和」(新聞通信調査会など主催)が、被爆建物の旧日本銀行広島支店(広島市中区)で23日まで開かれている。太平洋戦争の開戦前夜から現在に至るまで、通信社が配信した100枚以上の歴史的瞬間の写真を紹介する。被爆80年特別企画として、原爆投下直後の広島の記録写真も展示している。

 1月に同名の写真展を東京で開催し、反響が大きかったことから広島開催が決まった。共同通信社(戦前は同盟通信社)や海外の通信社が配信した写真で、第1章「過信の果て」では国策を誤った戦争の時代を真珠湾攻撃や出撃前の特攻隊員、学童疎開の様子などのカットで伝える。

 第2章「平和国家の虚実」では戦後復興から安保闘争、沖縄復帰などをたどり、第3章「混迷の時代」は自衛隊の海外派遣や世界の戦火を撮った写真で「新しい戦前」とも呼ばれる今につなぐ。エピローグ「戦火の子どもたち」は、幼い犠牲に焦点を当てた。

 最も新しい写真では日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授賞式を展示。同調査会の担当者は「世界の危機感の現れ。今回の会場が被爆建物であることもメッセージになる」と話していた。入場無料。【宇城昇】

毎日新聞

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