女性7.8万人を風俗店にあっせんか 大規模スカウト集団を「解体」

2025/06/26 19:01 

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 警視庁保安課は26日、性風俗店に女性をあっせんする大規模スカウトグループ「アクセス」について、トップを逮捕するなどした結果、組織を解体させたとみていると明らかにした。グループは2019年からの約5年間で、約7万8000人の女性を46都道府県の約1800店に紹介し、店側から約60億円の報酬を得たとみられる。

 警視庁は、グループが「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」に当たるとみて、生活安全部では16年ぶりの特別捜査本部を設置。実態解明を進め、グループ幹部や風俗店経営者ら計31人を職業安定法違反(有害業務の紹介)の疑いなどで摘発した。

 24日には、性風俗店へ女性を紹介して得た報酬を隠したとして、グループトップの遠藤和真容疑者(34)を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の疑いで再逮捕。遠藤容疑者の逮捕は11回目で、捜査を終結した。

 再逮捕容疑は、24年2~11月ごろ、全国の性風俗店に女性を紹介し、店側から支払われる「スカウトバック」名目などの現金約1億2000万円を、約480回にわたりバーチャルオフィスに郵送させて収益を隠したとしている。遠藤容疑者は黙秘しているという。

 グループでは、約300人のスカウトが三つの集団に分かれて活動。各地の無店舗型性風俗店(デリバリーヘルス)やソープランドと契約し、店舗情報を自前のウェブサイトに集約していたという。スカウトは、交流サイト(SNS)で勧誘した女性のプロフィルを店側に送り、最も報酬が高い店に紹介していたとみられる。

 半田正浩課長は「女性を搾取するスカウトグループはまだ活動している。(28日施行の)改正風営法を機に潜在化も予想される」と話した。【菅野蘭】

毎日新聞

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