黒木瞳さん、宝塚同期を思い慰霊登山 日航機墜落40年で遺族ら祈る
520人が亡くなった日本航空(JAL)のジャンボ機墜落事故から、12日で40年がたった。遺族らは、事故現場の「御巣鷹(おすたか)の尾根」(群馬県上野村)に登って犠牲者の冥福を祈った。
◇20歳の時に亡くした父思い、止まらぬ涙
事故で父の昭司さん(当時50歳)を亡くした神奈川県大和市の若本千穂さん(60)はほぼ毎年、命日に訪れる。「8月12日は1年の区切りであり、始まり。これからも家族を見守ってと伝えました」
40年間は「長いようで短かった」と語る。20歳の時に父親を失い、心の傷はずっと癒えなかった。ただ、父が亡くなった年齢と同じ50歳になった時、力が湧いてきたという。「ここからは父が知らなかった世界。自分の思うように生きてやろう」と思い、やってみたかった図書館司書に転職した。
この日は雨が降る中、山道を一歩ずつ登った。斜面にある昭司さんの銘標に手を合わせると、涙が止めどなくあふれた。一人息子を育てて7歳と3歳の孫がいるが、「お父さんの前だと子どもになっちゃうね」と若本さん。「空の安全とは命を守ること。命を大切にしてほしい」と訴えた。
◇テレビ電話で80歳の母に、届ける風景
事故から40年が経過し、遺族の高齢化が進んで当時を知るJAL社員もわずかとなる中、事故の記憶や教訓の継承が課題となっている。遺族のお年寄りたちは山道でつえをつき、休憩を挟みながらゆっくり登った。「あと少し」と励まし合う場面もあった。
JALによると、慰霊登山の参加者は82家族の283人。前年より50人ほど増えたが、最多だった2015年の106家族406人と比べると7割程度。事故を知るJALの社員は25年3月末時点で17人で、全体の0・1%となった。
父の謙二さん(当時49歳)を亡くした山本康正さん(44)は、高齢のために慰霊登山を見送っている母啓子さん(80)の思いを背負って登った。
犠牲者を追悼する「昇魂之碑(しょうこんのひ)」の前ではスマートフォンのテレビ電話機能を使い、大阪府にいる啓子さんに周囲の風景を見せた。スマホ越しの啓子さんは「登ってくれてありがとう」とうれしそうに応えた。
尾根は普段、携帯電話の電波が届かないが、山本さんが働きかけたことで、今年もKDDI(au)が近くに臨時の基地局を設置し、通信環境を整えた。
◇黒木瞳さん「ゆみちゃんの分まで」
一方、俳優の黒木瞳さん(64)は初めて御巣鷹の尾根を訪れた。事故で亡くなった北原遥子(本名・吉田由美子)さん(当時24歳)は同じ宝塚音楽学校の第67期だった。
これまでは事故を認めたくないという思いが強く、足が向かなかったという。「こんな山の中で、しんどかったんだろうなと思います」と涙声で語り、「40年前、ゆみちゃんの分まで生きようと決めた」と振り返った。黒木さんは他の同期生らとともに吉田さんの石碑の前で手を合わせ、校歌などを歌った。【木村敦彦、福田智沙、加藤栄】
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