維新・石井章議員、秘書給与詐取800万円か 資金の流れ捜査

2025/08/28 20:39 

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 日本維新の会の石井章参院議員(68)=比例=が、公設秘書の給与を詐取したとされる事件で、国からだまし取った疑いがある給与は総額約800万円に上ることが関係者への取材で判明した。東京地検特捜部は、詐取金が秘書から石井氏に渡っていた可能性が高いとみて関係者の聴取を進めている。

 特別職の国家公務員である公設秘書は国会議員1人につき計3人雇用できる。年齢や勤続年数に応じて月約33万~65万円が公費から支払われる。

 関係者によると、秘書として国から給与を受領した人物は既に退職し、総額約800万円が個人口座に振り込まれたという。石井氏はこの人物を秘書として国会の事務局に届け出ていたが、特捜部は秘書としての勤務実態はなかったとみている。

 特捜部は27日に東京・永田町にある石井氏の参院議員会館事務所や、茨城県取手市にある地元事務所を詐欺容疑で家宅捜索し、28日も関係先を捜索した。押収した資料の分析を進め、資金の流れの全容解明を目指している。

 1990年代後半~2000年代前半に国会議員による秘書給与詐取事件が相次ぎ、04年に成立した改正国会議員秘書給与法で、給与は国から秘書へ直接支給されるようになった。ただし、給与を受領した秘書がその後、議員にひそかに渡すことを防ぐ手立てはない。

 秘書給与など約360万円をだまし取ったとして、詐欺罪で25年4月に有罪判決が確定した元自民党参院議員の広瀬めぐみ氏は、詐取金の約7割を秘書から受け取っていた。【北村秀徳、岩本桜、五十嵐隆浩、佐藤緑平】

毎日新聞

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