元県議の死後、失意の妻 背中押した石川知裕氏の言葉 立花党首逮捕
これ以上の犠牲は生まないで――。亡くなった元兵庫県議の妻は切々と訴えた。政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者の発信から始まり、デマや中傷が拡散された1年間だった。容疑者の逮捕に「ほっとした」と語った妻。標的とされた議員らも「真相を明らかにしてほしい」と声を上げた。
立花容疑者が逮捕された9日、兵庫県議だった竹内英明さん(当時50歳)の妻(50)は報道各社のオンライン取材に応じ、「ようやく声を上げられたが、簡単なことではなかった」と振り返った。
兵庫県政が混乱した2024年。斎藤元彦知事らの疑惑が文書で告発され、県議会は調査特別委員会(百条委)を発足させた。県議として5期目だった竹内さん。百条委のメンバーとして疑惑を追及した。
斎藤氏の失職に伴う1年前の出直し選で、立花容疑者は斎藤氏の当選を目的とした「2馬力選挙」を展開。インターネット上で「黒幕は竹内」と書かれたメモを明らかにした。竹内さんが告発文書の作成に関わったとし、「うそを作った」と述べた。
「生活が一変した」。妻は竹内さんの事務所に嫌がらせのメールや電話が寄せられたとし、「名誉毀損(きそん)や中傷、これまでだったら考えられなかったことが次々と起きた」。竹内さんは知事選の直後、自ら職を辞した。
これまでの毎日新聞の取材に対し、妻はその後の竹内さんとの暮らしぶりについて語っていた。竹内さんは黙り込んだり、落ち着きがなかったりした。25年に入ると、口数が減る一方で「こんなことになって、ごめん」と何度も謝ってきたという。
1月18日、竹内さんは亡くなった。ただ、立花容疑者は竹内さんを巡る発信をやめなかった。
「竹内元県議は兵庫県警から継続的な取り調べを受けていました」「どうも明日逮捕される予定だったそうです」。自らの交流サイト(SNS)で根拠不明の情報を流していく容疑者。今回の逮捕容疑の一つになった。
名指しされた兵庫県警は黙っていなかった。村井紀之本部長(当時)は県議会で全面的に否定し、「竹内氏を任意で調べたこともなく、逮捕する予定もない」と強調した。
夫の突然の死。打ちひしがれていた妻は「いわれもない中傷に恐れ、立ち向かう気力もなく、何をしていいのかも分からない状況だった」と語る。
「英明のかたきを」。こう言って背中を押してくれたのは、元衆院議員で夫の大学の先輩だった石川知裕さん(25年9月に52歳で死去)だった。妻の心は定まった。県警に提出した告訴状は6月に受理された。
それから約5カ月での逮捕だった。妻の代理人を務める石森雄一郎弁護士は「立花氏は政治活動の自由を振りかざし、他者の人権を侵害し続けている。民主主義を守るためにしっかり処罰してほしい」と望んだ。
「天国の石川さんにも逮捕を報告したい」と語った妻。一つの区切りだとしたうえで、付け加えた。「まだ問題は収まっていない。この先、同じことが繰り返されてはならないと思います」【宮本翔平、林みづき】
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