日本初の「コミュニティゴルフ」、栃木で始動 ジュニア育成の一環

2025/11/10 17:43 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 栃木県鹿沼市を拠点にゴルフ場を経営する鹿沼グループ(同市藤江町、福島範治社長)は11月から、日本ゴルフ協会(JGA)が主催する「コミュニティゴルフ」のパイロット版事業を開始。同事業はゴルフの世界共通のルールを統括するロイヤル・アンド・エンシェント・クラブ(R&A)が、世界的に推進するジュニア育成プログラムの一環で、国内では初の実施となる。

 地域連携活動を展開している同社は「家族・地域・教育」をコンセプトとするR&Aの理念と一致。2024年4月からの協議を経てR&Aから推薦され、プログラム導入が実現した。

 同社は事業開始を前にした10月30日、同市の総合政策課や教委、スポーツ振興課など各課関係者への説明会を開き、実施に向けて第一歩を踏み出した。ゴルフ未経験の小学生などを対象に、ゴルフを通じた心身の育成と地域振興を目指すとしている。

 松井正一市長は「市内に多くのゴルフ場を有し年間60万人のゴルファーが訪れる市は全国屈指の『ゴルフのまち』。ゴルフを活用したまちづくりを進めていく」と、事業のバックアップを表明した。

 「コミュニティゴルフ」は、ゴルフに初めて触れる子どもたちのための入り口として位置づけられている。独自の柔らかいクラブやボールを使用し、体育館や公園などでも実施することができる。遊びの要素を取り入れながら、ゴルフの基本技術やコース内外で役立つライフスキルを楽しく学べるようなプログラムになっている。

 説明会では、JGAの指導者が概要について解説したほか、実際の道具を用いてプログラムを紹介。参加者たちが実際に体験すると、笑顔になったり拍手が起こったりするなど、ゴルフ経験の有無にかかわらず楽しんでいた。「障害者や高齢者などでも適用できるか」などの質問もあり、関係者の関心の高さがうかがえた。

 同グループでは社員10人がインストラクターの認定を受けた。今後、市教委関係者などを対象にゴルフ場や市体育館でも体験説明会を開催する。来年1月には小学生を対象にイベントを行うなど、本格導入に向けた準備を進めていく。

 福島社長は「この事業が子どもたちの未来を育み、地域を盛り上げる新たなプログラムになるよう努力していく」と意気込みを話している。【松沢真美】

毎日新聞

社会

社会一覧>

写真ニュース