史上最長の米政府閉鎖収束へ前進 つなぎ予算案採決へ上院で動議可決

2025/11/10 18:17 

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 米連邦議会上院は9日、当面の連邦政府支出を賄うつなぎ予算案の採決に進むための動議を可決した。与党・共和党と野党・民主党の一部議員の合意により、大きなハードルだった上院での可決に近づいた。10月以降の通年予算不成立に伴う政府機関の一部閉鎖が史上最長の40日目を迎え、米社会や経済への影響が深刻化する中、ようやく事態は収束に向けて前進した。

 米政治メディア「ポリティコ」によると、つなぎ予算案が成立すれば、政府は来年1月30日まで全ての予算が執行できるほか、農務省など一部の省庁が通年の予算を使えるようになる。民主党がかねて要求してきた医療保険制度(オバマケア)に基づく補助金の延長は盛り込まれていないが、今年12月に延長法案を上院で採決する方向となった。

 与野党合意を受け、政府閉鎖期間にトランプ政権によって解雇された政府職員の再雇用や未払い給与の受け取りが保証された。来年1月まで全ての省庁・機関で人員削減を禁止し、将来の解雇を食い止める手立ても加えた。

 共和党は上下両院で多数派を占めるが、予算案成立には上院(定数100)で議事妨害(フィリバスター)を阻止できる60票の確保が求められていた。9日の動議はかろうじて60票の賛成多数で可決された。

 政府機関の全面再開には上院通過に加え、下院での可決やトランプ大統領の署名などの手続きが必要で、数日程度かかるとみられる。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

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