東京都内の違法性風俗店で働かされていた１２歳のタイ人少女が保護された事件を受け、タイ警察も捜査に着手した。子供や女性を性的搾取目的の労働に誘い込む人身取引のネットワークが関与している可能性があるとみている。

　捜査はタイ警察の人身取引対策センターが主導し、日本の警察当局や外務省と連携して、実態解明や少女の帰国支援を進める方針だ。

　タイのメディアによると、台湾当局に身柄を拘束された少女の母親は、過去に台湾やベトナムなどへたびたび渡航していたという。少女は主に親戚に育てられていたとされる。

　また、子供の福祉を担当する社会開発・人間安全保障省の高官が訪日して、日本の施設で保護されている少女と面会することを検討しているという。少女は日本での捜査や法的手続きが終わり次第、タイに帰国する見通しだ。

　法務省の特別捜査局（ＤＳＩ）も今回の事件に関心を寄せており、在タイ日本大使館を通じて日本側と情報共有しながら、母親の渡航先や目的、マッサージ店での勤務状況などについて捜査するとみられる。【バンコク武内彩】