タイパ・コスパ重視 「ミレニアル世代」の価値観に住宅メーカー苦慮

2026/01/11 12:45 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 年収が伸び悩む中、資材や人件費の高騰で住宅価格は上昇を続けている。そんな中、住宅購入で最も需要が見込まれる1980年から95年ごろまでに生まれた現在20~40代の「ミレニアル世代」は従来の世代とは異なる価値観を持つ傾向にあり、住宅メーカーもビジネスモデルの見直しを迫られている。

 注文住宅を購入する際の借入額は「年収の5~7倍なら無理がない」とされている。建築資金総額の平均は建築資材や人件費の値上がりで2020年の3168万円から24年には48%増の4695万円になった(国土交通省「住宅市場動向調査」)。一方、総務省の「家計調査」によると、2人以上の世帯のうちの勤労者世帯の平均年収は20年の733万円から24年の780万円と6%増えただけだった。

 ミレニアル世代は、1997年から2012年ごろに生まれた「Z世代」と区別して「Y世代」とも呼ばれる。パナソニックホームズ(大阪府豊中市)によると、ミレニアル世代が住宅購入のボリューム層になったこの8年で住宅総合展示場を訪れる人は3割減り、見学するモデルハウスも4棟から2棟に半減した。

 ミレニアル世代の一つ前の「X世代」(1965~80年ごろ生まれ)の価値観には「モノの所有や資産形成」があったが、ミレニアル世代の価値観は「モノよりコト(体験)」「タイパ(時間対効果)・コスパ(費用対効果)と感性」に変化したとされる。このため、事前に交流サイト(SNS)やネットで情報を詳細に調べ、見たいモデルハウスを絞ってから訪問を予約、来場する人の割合が増えたという。

 ミレニアル世代の価値観に対応した商品開発、営業戦略を展開するため、パナソニックホームズ滋賀(滋賀県草津市)は今年度から、住宅購入希望者に対し、滋賀の地域特性を取り入れた戸建て住宅「近江の家」の案内に力を入れる。

 草津市内の街角にそのまま販売、入居できるリアルなモデルハウスを建設。玄関ホールに琵琶湖のさざ波を思わせるウッドパネル「うみのこウェーブ」やふなずしなど発酵食品を保存するパントリー、ビワイチを意識した駐輪場など「滋賀らしさ」が感じられる住まいを提案している。【北出昭】

毎日新聞

社会

社会一覧>