大津保護司殺害 「死ぬまで後悔と反省」 被告人質問で謝罪
2024年5月に大津市の民家で保護司の新庄博志さん(当時60歳)を殺害したとして、殺人と公務執行妨害罪、銃刀法違反に問われた大津市の飯塚紘平被告(36)は19日、大津地裁(谷口真紀裁判長)で開かれた裁判員裁判の被告人質問で「刑務所で死ぬまで後悔と反省の日々を送る」と述べ、「非常に申し訳ない」と謝罪した。
これまでの公判で、被告は別事件で保護観察付き執行猶予判決を受け、19年7月から新庄さんと定期的に面談するようになったことが分かっている。ただ、仕事は長続きせず、それを政府のせいにして保護観察制度に打撃を与えようと事件を起こしたとされる。
被告人質問で、弁護側は保護司殺害までの約5年間で被告が約20社で不採用となり、約10社を辞めたと指摘した。どんな気持ちだったかと聞かれた被告は「高いストレスと高い自暴自棄だった。不満、悲しみ、怒り、苦しい、とてもしんどかった」と回想した。
こうした不満を、保護司殺害で発散させようとして事件を起こしたとみられるが、被告は「(殺人をしたことが)今はとても気持ち悪い」と打ち明けた。過去に今回の事件を「テロ」と称していた真意を尋ねられ、「ただの人殺しと認めたくなかった。不満やイライラをぶつけただけだと認められず、テロや政治に結びつけることで大義名分を得たという錯覚に陥りたいと思った」と供述した。
その上で、「もし自分が大事な人を私のような人間に殺されたら耐えられない。新庄さんに謝って済む話ではないが、非常に申し訳ないと謝罪することしかできない」と吐露。遺族への思いについて「つらさと悲しみをこれからも続けさせることは非常に申し訳ない」と語った。
被告の心理を鑑定し、弁護側証人として19日の法廷に出廷した臨床心理士は「仕事が思うようにいかないふがいなさ、何もできない無力感を被告は受け入れることができなかった。それを社会や周囲のせいにしたことが事件につながった」と分析した。【礒野健一、菊池真由、飯塚りりん】
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