子ザルの「パンチ」人気で便乗商法も 園は「公式グッズ」で対抗

2026/03/24 11:51 

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 母親代わりのオランウータンのぬいぐるみを抱える姿が人気のニホンザル「パンチ」を一目見ようと、市川市動植物園の来園者が急増している。園は、パンチを支援したいという声を受けて寄付の種類や方法をまとめた「#がんばれパンチサポーターズガイド」を公表。飼育員が作成した無料通信アプリ「LINE(ライン)」のオリジナルスタンプの販売を始めた。

 園によると、パンチは2025年7月に生まれたが、母ザルが育児放棄したため、飼育員が人工哺育を始めた。サルは生後まもなくから母ザルの毛にしがみついて安心感を得たり、筋力をつけたりするが、パンチにはその機会がなかった。代わりにオランウータンのぬいぐるみを与えたところ、パンチは気に入ったという。

 今年1月19日、パンチを本格的に群れに戻した。ところが、他のサルに警戒されたり、近寄ろうとして威嚇されたりすることもあり、パンチはぬいぐるみを手放せなかった。

 2月5日に園が交流サイト(SNS)で、ぬいぐるみを抱えるパンチの写真を掲載したところ、世界的に拡散して話題となり、米ホワイトハウスの公式X(ツイッター)アカウントにも取り上げられた。例年2万人程度だった2月の来園者数は4万7000人へと急増。25年度の来園者数は今月14日に、初めて年間30万人を突破した。

 さらに国内外を問わず、寄付の相談が非常に増えていることから、園は寄付方法のガイドラインをまとめた。口座振り込みによる寄付や、市川市へのふるさと納税などを紹介している。

 16日にガイドラインを公式ウェブサイトで公表したところ、1日あまりで専用口座への振り込みが200万円を超し、ふるさと納税による寄付も60万円に上った。いずれも5月31日まで受け付ける予定で、園は動物の環境改善や施設管理に充てる予定だ。

 LINEのオリジナルスタンプは、ぬいぐるみを持ったパンチなど16種類で1セット税込み120円。園の担当者は「人工哺育の子ザルが群れに戻れるという保証はないので、そこに一番力を注いでいきたい。ぜひ温かい目でパンチを見守ってほしい」と話している。

 ◇便乗商法、無関係の募金も

 一方、パンチを模したぬいぐるみやイラスト、写真集、Tシャツなど非正規のグッズ販売が確認されている。園は「人間とは違い、動物やモノには(名前などから生じた利益を独占できる)パブリシティー権が認められない可能性が高い」ことから、法的手段は難しいと判断。公式グッズの製作を増やして対抗する考えだ。

 また、園とは無関係の人たちが、パンチ支援をうたって寄付を募っているケースがあるという。園は公式ウェブサイトで、サポーターズガイドに記載していない方法での寄付活動は「関知しない」と注意を呼びかけている。【石塚孝志】

毎日新聞

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