マニュアルなく判断は顧問任せ 奈良の部活中落雷事故で報告書
奈良市にある学校法人「帝塚山学園」のグラウンドに昨年4月に雷が落ち、部活動をしていた中高生6人が搬送された事故で、学園の事故調査委員会は30日、安全管理の問題点などをまとめた報告書を公表した。落雷事故の防止策を定めたマニュアルが学校になく、部活の中止や避難の判断は各部活の顧問に委ねられていたとした。
事故は2025年4月10日夕に起きた。学園が運営する一貫校「帝塚山中学・高校」で、中学サッカー部員5人と高校野球部マネジャー1人が落雷被害に遭って病院に搬送された。うちサッカー部の1人は意識が戻っていない。
報告書はマニュアルの未整備に加え、落雷を想定した避難訓練や研修が行われていなかったことも被害の一因になったと指摘。これらが実施されていれば事故を防げた可能性は否定できないとする一方、今回の落雷は直前の予兆が乏しく、事故を防ぐのは困難だったとする調査委の見解も併記した。
学園の依頼で弁護士や気象の専門家ら6人が関係者への聞き取りを進めていた。報告を受けて学校側は落雷対策のマニュアル作成を急ぐほか、避雷針の増設などを進めるという。
学園は30日に記者会見を開き、冨岡将人理事長は「被災生徒とご家族におわびを申し上げる。調査結果を真摯(しんし)に受け止めて、再発防止に全力で取り組んでいく」と話した。【田辺泰裕、山口起儀】
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