購入制限ないレターパック悪用 資金洗浄黙認か、売上げ800%増
他人名義のクレジットカードを使用した不正な購入と知りながら、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ=匿流)のメンバーにレターパックを販売したなどとして、福岡県警は1日、福岡城西郵便局(福岡市早良区)の男性局長(51)と男性課長代理(52)=いずれも当時=を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)ほう助容疑で書類送検した。
福岡県警が郵便局の元幹部2人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)ほう助容疑で異例の立件に踏み切ったのは、目先の利益を優先し「見て見ぬふり」を続けた可能性があり、悪質性が高いと判断したためだ。
捜査関係者によると、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ=匿流)のメンバーは不正入手した他人のクレジットカードのショッピング枠を現金化するため、少なくとも2024年ごろから、特殊な手法を繰り返していた。①詐取したカードの枚数や限度額を買い取り業者側に連絡②業者が購入可能なレターパックの枚数を計算し、福岡城西郵便局に準備を依頼③匿流メンバーがレターパックを購入し、買い取り業者に転売――という流れだ。
レターパックには切手のような購入上限額はない。転売時の買い取り額も安定し、資金洗浄に利用しやすかったとみられる。一方、郵便局にはクレジットカードの加盟店規約に基づき、カード提示者が名義人本人であるかを確認する注意義務がある。本来ならば不正に目を光らせる立場だが、今回は全く機能せず、匿流に悪用されたといえる。
福岡城西郵便局の24年度のレターパックの売り上げは前年度比で800%増、売上総額は360%増だった。異例の増額だが、日本郵便は同局が県警の家宅捜索を受けるまで一切把握していなかった。
青山学院大の八田進二名誉教授(企業統治)は「日本郵便が早い段階で不正に気付いていれば被害を抑止できた可能性がある。局長らは目先の利益を優先していた可能性もあり、健全な組織運営に対する意識が希薄だったと言わざるを得ない」と指摘した。【栗栖由喜】
◇日本郵便のコメント
郵便局長(当時)らの書類送検を受け、日本郵便は「お客様ご関係者にご心配をおかけし、おわびします。現時点は手続きの話でありコメントは差し控えます」との談話を発表した。
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