私大新入生、受験・入学費用が過去最高 生活費は1990年の3割

2026/04/07 18:29 

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 私立大生の1日の生活費は660円――。2025年度に東京都など1都2県の私立大に入学した学生の保護者を対象とした民間の調査で、学生の苦しい生活実態が浮かんだ。ピーク時の1990年度は2460円で、3割以下にとどまる。「出費を抑えるため、自宅から通える大学に絞った」「友人と食堂に行っても、食費を浮かせるために食べずにいたと聞いた」。物価高が進む中、切実な声も寄せられている。

 調査を実施したのは関東地方を中心とする私立大(短大・高専含む)の教職員で構成する「東京地区私立大学教職員組合連合」。25年5~7月、東京、埼玉、栃木の10大学・短大の新入生保護者に郵送し、3613件の有効回答を得た。

 受験費用や入学金、下宿生の家賃や生活用品費などを含む「受験から入学までの費用」は、下宿生が前年度比1・7%増の235万3983円、自宅生が1・9%増の164万7883円で、いずれも過去最高だった。

 調査を開始した85年と比較した場合、下宿生で85万円超、自宅生でも約50万円増えた。担当者によると、授業料は90年度と比較し30万円以上増加しているほか、家賃も上昇。近年はパソコンや家具などの購入費も膨らんでいるという。

 下宿生の保護者を対象に仕送り額を聞いたところ、新生活のスタートに合わせた出費が落ち着く6月以降の月平均は前年度より3100円増加し9万1600円。ただ、平均の家賃月額も2900円増えて7万1800円に上り、仕送りに占める家賃の割合は78・4%で過去最多となった。

 仕送り額から家賃を除いた生活費は月1万9800円で、1日当たりに換算すると660円となる。

 担当者は「660円という金額で生活できるはずがない。アルバイトの負担は大きく、本来取り組むべき学業がおろそかになるのは深刻な事態だと思う」と指摘。給付型奨学金の充実や、学費を上げないための私立大の経常経費補助の拡充を国に求めている。【斎藤文太郎】

毎日新聞

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