再審見直し法案修正へ 「検察抗告禁止」は見送りか、議論紛糾も
確定した刑事裁判をやり直す再審制度の見直しを巡り、法務省が再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)を認めた刑事訴訟法改正案を修正する方針を固めたことが関係者への取材で判明した。自民党の議員から「検察官抗告が再審請求審の長期化を招いている」との批判が相次ぎ、特別国会に法案を提出するには修正が不可避と判断した。
当初案は刑事法の学者ら専門家が集まる法制審議会(法相の諮問機関)の答申に基づき作成され、検察官抗告を全面的に認める内容だった。自民の審査段階で、法制審の審議結果が修正に向かうのは異例。法務省は来週にも自民に修正案を示す方向で検討している。
現行法には再審請求審での抗告に関する条文がなく、検察側、元被告側の双方が比較的自由に抗告の判断ができる。法案を審査する自民の会議では「冤罪(えんざい)の早期救済のためには検察官抗告の全面禁止が必要」との意見が多くを占めた。法務省は検察側の抗告を慎重にするよう、新たな条文を加えることを検討しているが、禁止までは踏み込まないとみられ、議論がさらに紛糾する可能性がある。
政府は9日、参院議院運営委員会理事会で、当初目指していた4月上旬の法案提出を先送りする方針を伝えた。その後に法案を審査する自民の法務部会などの合同会議が開かれ、法相経験がある鈴木馨祐・司法制度調査会長は法案提出が遅れたことを謝罪。「これまでの審査の中でさまざまな意見が出たことを重く受け止め、より良い法案にしていく。修正も含めてしっかり検討いただきたい」と法務省に求めた。
法制審の議論では3審制を経た確定判決には重みがあり、検察官抗告を禁止すれば法的安定性が崩れるとの意見が多数を占めていた。【岩本桜、巽賢司】
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