水俣病「子世代」訴訟、原告を患者と認めず 福岡高裁、1審支持
胎児・小児期にメチル水銀の被害を受けたのに、公害健康被害補償法に基づく水俣病の患者認定申請を棄却処分にされたとして、熊本県や鹿児島県に住む60~70代の男女7人が両県に処分取り消しと患者認定を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁(高瀬順久裁判長)は23日、患者と認めずに全員敗訴とした2022年3月の1審・熊本地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。
7人は未認定患者団体「水俣病被害者互助会」の会員ら。公式確認前後の1953~60年に生まれ、重症患者が相次いだ発生初期の「子世代」に当たる。激しいけいれんの症状などがあった親世代とは異なり、7人は手足のしびれなどの感覚障害を主張。熊本県や鹿児島県に患者認定を申請したが、15~16年に棄却された。症状を自覚してから医師の診断を受けるまでに40年以上かかった人もおり、高濃度の汚染被害の有無や感覚障害との因果関係が争点だった。
原告側は「汚染された魚介類を食べた時期があり、感覚障害を発症しているならば患者と認めるべきだ」と主張。一方、県側は「水俣病を発症するほどの水銀を摂取したとは言えない。発症時期は遅く、症状にも変動があり、他の疾患の可能性がある」などと反論していた。
22年3月の1審・熊本地裁判決は「原告が医師から症状を診断されたのは水銀の摂取停止から数十年後で、水俣病の発症の仕組みに合わない。他の疾患の可能性が否定できない」として原告の全面敗訴としていた。【栗栖由喜】
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