小笠原村長「議論のきっかけに」 南鳥島の核ごみ調査受け入れで

2026/04/24 19:21 

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 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地の選定を巡り、南鳥島での文献調査を受け入れた東京都小笠原村の渋谷正昭村長が24日、日本記者クラブの記者会見に応じた。渋谷村長は、選定の次の段階となる概要調査に進むかは「全くの白紙。地元の意見に反して進められることはない」との認識を示し、最終処分地選定に向けた全国的な議論を呼びかけた。

 文献調査が実施されると、自治体には最大20億円が交付される。渋谷村長は「村民や村議から多様な意見をもらった」とし、受け取るか否かも含め、村議会などで検討するとした。

 調査開始の時期については経済産業省や原子力発電環境整備機構(NUMO)に委ねるが、村でも5月上旬から村民との意見交換の場を設けるという。「膝をつき合わせ、少人数で聞きたい」と話した。

 渋谷村長は国に対し、風評被害対策や、他の自治体にも文献調査を申し入れることなど、5点を要望している。「1カ所でも多く申し入れ先が増えることは、議論のきっかけになる。『自分ごと』になるのでいいことだと思っている。多くの方に関心を持ってほしい」と呼びかけた。また、国が処分地選定の参考として示す「科学的特性マップ」について、個人的見解として「さらに絞り込んだ適地を示した方がいいのでは」と述べた。

 最終処分場の適地かどうかを調べる文献調査は、3段階ある手続きのうちの第1段階。南鳥島で実施されれば、北海道寿都(すっつ)町、神恵内(かもえない)村、佐賀県玄海町に続き4例目。応募や地元の請願を経ずに国が主導して調査を申し入れたのは、小笠原村が初めて。南鳥島は村役場がある父島から東南東に約1200キロの日本最東端の島で、一般住民はいない。【荒木涼子】

毎日新聞

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