草原の激減で生息脅かされる希少チョウ 若い防風林が救世主に?
伐採・植林後2~6年の若い防風林が、草原環境を好むゴマシジミなどの絶滅危惧種のチョウ類や開花植物の生息地になることが北海道十勝地域で確認されたと、桜美林大などの研究グループが発表した。大脇淳(あつし)准教授(群集生態学)は「定期的に伐採や植え替えができる防風林において、草原性生物を保全する具体的な管理手法を構築するための重要な成果だ」と話している。
日本では、この100年間で草原が激減し、草原性生物も急速に姿を消しつつある。防風林などの植林の伐採地は、一時的に草原性生物の貴重な生息地になりうることが知られているが、生息地としてどれくらい持続できるのかは詳しく分かっていなかった。
研究グループは2024年、伐採後に植林をして2~12年が経過した十勝地域のカラマツの若い防風林8カ所で、チョウ類と開花植物の調査を行った。
その結果、チョウ類、植物ともに、植林後の年数が経過するほど種類や個体数が減少する傾向が見られた。特に、昆虫によって受粉する植物の開花数は、植林後5年目以降に大きく減った。一方、チョウの種類と数は6年目まで高く維持され、9年目以降に著しく減少した。
大脇准教授は「植林後6年がたつ前に、周辺に新たな伐採地を作ることで、防風林としての本来の機能を維持しつつ、草原性植物やチョウ類を持続的に保全できることが期待される」と説明。植林される木の種類や地域によっても草原としての機能や持続年数が異なる可能性があるとし、「これらの点を解明することで、防風林の機能と生物多様性を両立させる、より詳細な防風林管理計画の立案が可能になる」と述べた。
研究成果は、昆虫学の国際学術誌に掲載された。【藤原理加】
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