「中井やまゆり園」巡る研究業務、県議会で疑念や批判の声
地方独立行政法人「神奈川県立福祉機構」(中井町)の幹部職員が代表を務める民間業者が県から受注した研究業務について、県議会で「透明性や客観性が担保できない」「利益相反ではないか」などと、疑念や批判の声が相次いで上がっている。
福祉機構は、知的障害者施設「中井やまゆり園」の運営を引き継ぎ、4月に立ち上がったばかり。幹部職員となった一人は、コンサルティング会社「薫化舎」(大阪府)で代表を務めている。県は2025年12月、中井やまゆり園の入所者を対象とした研究業務の委託先を公募し、薫化舎が受注して随意契約を結んでいた。
業務内容は「知的障害者の認知矯正による行動変容に関する基礎研究」。特殊な黄色い眼鏡を掛けるなどして、知的・発達障害の人の視覚から入る情報を調節し、認知のゆがみを修正して行動変容を促すとしている。
今月4日の県議会厚生常任委員会では、この研究について県議から発言が相次いだ。
薫化舎は今年2月、被験者3人に実験を行い、効果があったと結論づけたが、県が公表した報告書は多くが黒塗りされている。これに対し「効果があるか判断しようがない」と指摘があった。
また、薫化舎の代表が福祉機構の幹部に採用されたことに「利益相反になるのでは」と懸念する声も上がった。県は、契約時は福祉機構は発足していないと反論しつつ「利益誘導が起きないようにする」と説明。福祉機構が研究テーマを決める際は利害関係者を排除するなど、ルールを整備するとした。
自民党の敷田博昭県議は「被験者は3人。これを客観的な研究として採用することが適切なのか」と訴えた。立憲民主党の市川佳子県議は、県の業務委託が「公募」としながら、事実上薫化舎しか受注できない条件だったと問題視。「最初から結論ありきではないか」と批判した。発言は他党の所属議員からもあった。【國枝すみれ】
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