特攻見送った「なでしこ隊」 実体験を漫画に、CFで制作費募る
戦争体験を漫画で伝える活動をしている「北九州 戦争を次世代に伝えていく会」代表の樺島由彬さん(39)が今夏、太平洋戦争末期に知覧特攻基地(鹿児島県南九州市)で特攻隊員らの世話にあたった女学生の「なでしこ隊」をテーマに6作目となる作品を出版する。クラウドファンディング(CF)「キャンプファイヤー」で制作資金を募っており、「若い世代に戦争を伝える活動を支えてほしい」と呼び掛けている。
◇「特攻隊は美談ではない」描く
なでしこ隊は1945年3~4月、知覧特攻基地で隊員の宿舎の清掃や食事の準備といった身の回りの世話、出撃の見送りなどをした知覧高等女学校の約100人の女学生たちのこと。
樺島さんに体験を語ったのは当時15歳だった三宅トミさん(96)=北九州市門司区在住。45年4月に約20日間、なでしこ隊として特攻隊員の世話をした。樺島さんは2024年に新聞記事で三宅さんのことを知り、つてを頼って探し出して25年7月に体験談を聞き取った。
出撃した後も靖国神社に会いに来てほしいとの手紙を渡された隊員とのエピソードと、最後の一人になっても知覧での慰霊祭に参加しようと交わした同級生との誓い。この二つの約束を軸にストーリーが展開され、「特攻隊は美談ではない」「あの人たちを忘れないで」との三宅さんの思いが描かれるという。
◇見送った人の思いに触れて
タイトルは「知覧での約束を胸に」。B5判40ページ。作画は兵庫県在住の漫画家に依頼しており、8月中旬をめどに発刊予定。
樺島さんは会社勤めの傍ら、20年4月からこれまでに特攻隊員やシベリア抑留者などの体験談5冊を出版している。CFは35万円を目標に20日まで実施している。支援者の名前(ニックネームや法人・団体名も可)を巻末に掲載するという。
樺島さんは「特攻隊員にフォーカスしたものは結構あるが、なでしこ隊など見送った人の思いに触れたものは少ない。三宅さんらが当時、心の中でどう思っていたのかを知ってほしい」と話している。【斎藤毅】
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