真夏の避難生活で気をつけること 避難所の温度、換気、水分補給

2026/07/28 20:54 

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 28日午後4時27分ごろ、熊本県の宇城(うき)市と氷川町で最大震度7を観測する地震があった。災害時は避難生活の慣れない環境や片付けなどの作業で熱中症のリスクが高くなる。気象庁の予報では、熊本では29日は最高気温が34度、30日以降は35度以上の猛暑日になる。こまめに水分補給をするなどして予防する必要がある。

 熱中症に詳しい埼玉慈恵病院(埼玉県熊谷市)の藤永剛副院長は「大規模地震が真夏に発生した場合、避難所での熱中症対策は命に関わる重要な課題だ。体育館や車内、屋外の待機場所は熱がこもりやすく、発災直後から対策を始める必要がある」と呼びかける。

 藤永医師によると、熱中症対策として、避難所の温度と湿度を定期的に測定し、冷房やスポットクーラー、大型扇風機などを活用して、必ず「涼める場所」を設ける。窓の遮光や換気、空気の循環も重要だ。室温が高い場合は、扇風機だけに頼らず、冷房の使える別の施設への移動も検討する。

 時間を決めて水分補給を呼びかけることも大切だ。大量に汗をかいた場合には、経口補水液やスポーツ飲料、食事などで塩分も補う。避難所では、トイレへの不安から水分を控える人もいるため、衛生的で利用しやすいトイレの確保も予防につながる。

 高齢者や乳幼児、妊婦、持病のある人には個別の見守りが必要だ。本人の訴えを待たず、顔色や発汗、受け答えなどを定期的に確認する。

 頭痛や吐き気、強いだるさ、めまいなどがあれば、すぐに涼しい場所へ移し、首、脇の下、足の付け根を冷やす。異変があれば直ちに救急要請をした方がよい。

 一方、冷房が使えない場合は、窓や出入り口を開けて風の通り道をつくり、直射日光はカーテンや段ボール、ブルーシートなどで遮る。夜間も室温は下がりにくいため、我慢せず、冷房が使用できる避難所や公共施設への移動を検討する必要がある。

 車の中で寝泊まりする際には「エコノミークラス症候群」への注意も必要だ。

 エコノミークラス症候群は、長時間にわたって体を動かさないことで、下半身にできた血栓が肺に流れて血管を詰まらせる症状。2016年の熊本地震では、余震の恐れから車内で避難生活を送る人が多く、発症する人が頻発。少なくとも54人が入院が必要な状態まで症状が悪化し、うち約8割が車中泊をしていた。

 特に高齢者で発症リスクが高いとされる。やむを得ず車中泊をするなら、日陰や風通しのいい場所に止め、断熱シートなどを活用する。厚生労働省は予防のため、ときどき軽い体操やストレッチ運動をしたり、十分な水分を取ったりすることを推奨している。

 人工透析に通う腎不全患者などは、避難が長期化すれば健康悪化が懸念される。透析医療が専門の徳島大の長谷川一宏准教授は「まずはかかりつけの医師やクリニックと連絡を取って」と呼びかける。

 「透析は医療施設の被災度合い、インフラの状況、マンパワーなどすべてが結びついてできる。熊本では10年前の経験もあり、緊急対応なども準備はしてきただろうが、患者さんにとっては不安だろう。水分を控えるとかえって熱中症の原因となる恐れもある。なるべく普段通りの生活を心がけてほしい」と話す。【河内敏康、小坂春乃】

毎日新聞

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