排水ポンプ作動せず 豪雨で冠水のアンダーパス、危険性と対策は?

2026/08/15 20:45 

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 千葉県の豪雨の死者のうち2人は、立体交差道路「アンダーパス」の冠水に巻き込まれたとみられる。専門家は、豪雨の際には近づかないよう呼びかけ、管理者には安全対策の強化を求めている。

 ◇非常用電源も機能せず

 「車に閉じ込められて出られない」。14日午前0時過ぎ、千葉市中央区村田町の国道16号のアンダーパスにいた男性から110番があった。男性は水没した車の中から救出されたが、死亡が確認された。

 千葉国道事務所によると、このアンダーパスでは、水位が上がった時に自動で作動する排水ポンプが正常に作動しなかった。周辺で発生した停電が原因で、非常用電源も機能しなかった。アンダーパスへの通行止めを知らせる電光掲示板も作動しなかった。

 13日午後8時半ごろ、ポンプの異常を知らせるアラームが所内で鳴り、午後10時10分ごろ、現場で作動していないことを確認した。事務所は「仮に排水ポンプが作動していたとしても、冠水を防げたかは分からない」と説明。非常用電源が機能しなかった原因は「調査中」としている。

 消防などによると、千葉市中央区稲荷町の市道のアンダーパスでも13日に乗用車が水没。60代女性が車から脱出したが、付近で見つかり死亡が確認された。

 市によると、内部の水位が高くなると、入り口の電光掲示板に「冠水中」と自動で表示される機能がある。当時も表示されたとみられるが、短時間で冠水したため、道路を封鎖する対応まではとれなかったという。

 ◇ブレーキが利きにくくなる深さは

 国土交通省によると、道路や線路の下をくぐるアンダーパスは、渋滞の緩和などを目的に整備され、2024年度末時点で全国に約3700カ所ある。出入り口が坂で、中央部は周辺より低いため、大雨が降ると雨水が一気に流れ込みやすい。

 車種にもよるが、水深10センチで車のブレーキが利きにくくなり、水深30センチ以上で電気系統などの不具合が起きる。日本自動車連盟(JAF)の実験では、水深60センチだと車高の高いSUVタイプでも走行不能になった。JAFは「冠水した道路では水の深さも水の中の様子も分からない」とし、豪雨の時は通行を避けるよう呼びかけている。

 冠水で車が動かなくなり、ドアを開けられない場合は、窓を割る「脱出用ハンマー」が役立つ。これを車内の手の届くところに準備しておくことも大切だ。

 池内幸司・東京大名誉教授(河川工学)は、豪雨の際には「なるべく人手をかけずにいち早くアンダーパスを通行止めにし、車が入れないようにする仕組みを確立すべきだ」と指摘。ドライバーへの注意喚起のため「冠水による通行止めの情報をカーナビにより迅速に反映させる仕組みなども検討してもらいたい」と語った。【平塚雄太、田原拓郎】

毎日新聞

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