サッカー元日本代表で、ワールドカップ（Ｗ杯）に３大会連続で出場したＭＦ稲本潤一選手（４５）＝関東１部リーグ・南葛ＳＣ＝が４日、現役引退を発表した。

　東京都内で記者会見し、「正直この２、３年は毎年引退のことを考えていて、でもいろいろな理由をつけて先延ばしにしていた。今年に関しては、チームの力になれないと感じた。実際に試合に出て、チームを勝たせるパフォーマンスができるかを考えて、難しいなと（引退を）決めた」と語った。

　今後については「これだけやっていると現場から離れるのも寂しくなる。たぶん指導者の道に進むと思う。できれば指導者の道で、現場で、うれしさ、悔しさを感じたい」と述べた。

　１９９７年、育成組織から在籍したガンバ大阪で当時最年少の１７歳６カ月でＪリーグにデビューし、翌週には最年少得点（当時）をマーク。２００１年にはイングランド・プレミアリーグ初の日本選手として強豪アーセナルに期限付き移籍した。

　フラムなど複数クラブを経て、トルコ、ドイツ、フランスでプレー。１０年にＪ１川崎フロンターレに移籍して国内復帰した。北海道コンサドーレ札幌、ＳＣ相模原を経て、２２年から南葛ＳＣでプレーしていた。

　９９年の世界ユース選手権（現Ｕ２０＝２０歳以下＝Ｗ杯）では、国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）主催大会で日本初の決勝進出（準優勝）を果たした。

　００年のシドニー・オリンピックでは８強入り。同年にフル代表にデビューし、Ｗ杯は０２年日韓大会から１０年南アフリカ大会まで３大会連続で出場。日韓大会では１次リーグ初戦のベルギー戦で一時勝ち越しとなるゴールを決め、続くロシア戦では決勝点を挙げて日本のＷ杯初勝利に貢献した。代表通算８２試合出場５得点。【高野裕士、角田直哉】