9大会ぶり出場の伝統校「筑紫やぞ」の誇り 全国高校選抜ラグビー

2025/03/23 19:55 

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 ◇第26回全国高校選抜ラグビー1回戦 ○筑紫62―0青森山田●(23日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園)

 最初から最後まで攻め続けた。9大会ぶり出場の筑紫(福岡)は、FWとバックスが分厚い攻撃を見せ、全国の舞台で伝統校の誇りを示した。

 前半4分に密集の近場を突いたフッカー刀祢智次(2年)が先制トライ。その後も強みとするFWのセットプレーやサイド攻撃に相手の警戒を集中させ、バックスが空いたスペースを突く形でどんどん攻め込む。気付けば前後半合わせて10トライと躍動した。

 主将のCTB草場壮史(2年)は「自分たちの立ち返る場所としてあるのは『走れタックル』の精神。その言葉通りに最後まで走り抜くことができた」と胸を張った。

 実力的には上位の力を擁しながら、なかなか「全国」の舞台に縁がないのは、同じ福岡県内に7度の花園優勝を誇る東福岡がいるからだ。そのライバルとして筑紫は、独自の文化と伝統を築いてきた。

 ラグビー部に伝わる象徴的な言葉が「筑紫やぞ」。学校関係者によると、数十年前に「俺ら筑紫やけん、負けるわけないったい」と当時の監督らが話していたフレーズが縮められて、一言に変わったという。

 最近は直接的に「筑紫やぞ」と口に出す機会こそ減ったが、草場は「筑紫魂や筑紫プライドと言い方を変えて、今も脈々と受け継がれている。ひたむきにがむしゃらに走って、タックルして、流れを持って来るのが筑紫魂。それを体現したい」と説明する。2回戦の相手は前回王者の大阪桐蔭。魂をぶつけるには格好の難敵だ。【角田直哉】

毎日新聞

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