チーム力で2年ぶりV狙う名門・金蘭会の「伸びしろ」 さくらバレー

2025/03/25 09:13 

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 高校バレーボール女子の名門・金蘭会(大阪)は2024年度、夏のインターハイを制し、国民スポーツ大会(旧国体)は準優勝、全日本高校選手権(春高バレー)でも4強の一角を占めた。春高バレーの後に発足した新チームでは、最上級生が中心だったメンバーがほとんど入れ替わったものの、25日開幕の「第30回全国私立高校男女バレーボール選手権大会」(全国私立高校バレーボール連盟主催、毎日新聞社など特別後援)=愛称・さくらバレー=では、2年ぶりの私学日本一に焦点を合わせる。【橋本陵汰】

 さくらバレー開幕が間近に迫った2月。大阪市内の同校体育館では、部員たちが練習に汗を流していた。ホワイトボードには「さくらバレー優勝」までの日数が大きく書かれている。馬場柚希主将は「個々ではなくチーム力で戦い、日本一を目指したい」。岡日和副主将も「新チームで初めての全国大会。どこまで通用するか試したい」と意気込んだ。

 新チームは現在、新2年生と新3年生が計14人。このメンバーのうち、春高バレーでスタメンの一角を担ったのは馬場主将だけ。大きな体格の選手も多くはないものの、2月まで実施された大阪府の新人大会では優勝という結果を残すことができた。準決勝、決勝はストレート勝ちを収め、馬場主将も「(新チームは)伸びしろがある」と手応えを得た。池条義則監督も「鍛え方次第では良くなる」とチームの将来性を感じたという。

 ただ、試合経験が豊富な馬場主将も、チームをけん引してきた先輩たちが引退した直後は、チーム作りに苦戦した。プレーについてお互いに意見を言い合うことは少なく、主将として指示を出さなければならない場面でもちゅうちょしてしまう。日ごろの練習から上級生に頼りっぱなしだったことに気付いた。「いい意味でも悪い意味でも未完成」。馬場主将はこう語り、自分なりのキャプテン像を模索する。

 池条監督は、8年前の主将を務めた林琴奈選手(現SVリーグ・大阪マーヴェラス)を馬場主将に重ねる。金蘭会時代の林選手は自らのプレーでチームを引っ張るタイプで、「日ごろの授業も大切にし、みんながついていっていた」。馬場主将にもそんなタイプの主将になってほしいと感じていた。

 今年のさくらバレーで、金蘭会はまず、26、27日に盛岡誠桜(岩手)、土浦日大(茨城)、松本国際(長野)、博多女子(福岡)と予選リーグを争う。池条監督は、新入生も出場できる独特のルールにも触れつつ、「中学3年生も使って勝ちたい。最終日まで残れたらうれしい」と話した。

毎日新聞

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