「KKコンビ」不発 森保ジャパン、進化へ求められるバリエーション

2025/03/25 21:27 

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 ◇W杯アジア最終予選 △日本0―0サウジアラビア△(25日・埼玉スタジアム)

 どんなに絶品のカレーを出す店でもメニューが「チキン」一択なら客足も遠のくだろう。「最速」でワールドカップ(W杯)出場を決めた森保ジャパンに次に求められるのはチームとしての幅、バリエーションだ。

 20日のバーレーン戦からけが人の離脱もあり、先発を6人入れ替えた。2列目には久保建英、鎌田大地の「KKコンビ」という現チームではレアな並びでスタートした。守備を固めてきたサウジアラビアに対し、シュートを浴びせるもゴールが遠い。W杯カタール大会後の「第2次森保政権」で初の無得点だった。

 鎌田は「最初に大きなチャンスを作ることはできたが、入れきることができなかった。相手も自分たちのやりたいことを理解してきて修正してきたので、すごい難しかった」と課題を口にした。

 最終予選では基本的に同じフォーメーションの「攻撃的3バック」で日本は戦ってきた。アジアの舞台ではボールを支配できる。しかし、W杯となれば欧州、南米の強豪相手にはそうはいかない。日程的にも過密になり、メンバーの入れ替えは必須だ。

 森保一監督はW杯出場決定から一夜明けた21日の記者会見で「レベルの高い選手たちが2、3チーム分作れるくらい、選手層を厚くできるようにしていきたい」と進化の必要性を口にした。

 本大会まであと1年3カ月足らず。最終予選は6月の2試合で終わり、その後は選手が要望している強豪との親善試合が組まれる予定だ。「最速」で決めた利点を生かし、国内外の新鮮な素材も見つけたい。その上でどんなスパイスを調合するのか。試合終了時のスタンドのため息を糧にできるか、森保シェフの腕の見せどころだ。【生野貴紀】

毎日新聞

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