34歳鈴木聡美、女子平泳ぎ3冠達成 「非常にうれしいし恐ろしい」

2025/03/23 21:13 

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 ◇競泳 日本選手権最終日(23日・東京アクアティクスセンター)

 ◇女子50メートル平泳ぎ 鈴木聡美=30秒36(優勝)

 水泳は奥深い。女子50メートル平泳ぎは、34歳の鈴木聡美が優勝。2010年大会以来となる女子平泳ぎ3冠を達成し「非常にうれしく思うし、恐ろしいな、とも思った」と笑みを見せた。

 午前の予選はトップ通過。万全の調子でスタート台に立った。25メートル付近からレースを引っ張り、2位に0秒63差を付けてフィニッシュ。自身が持つ日本記録(30秒10)を上回る目標の29秒台には届かなかったが、「もう少しキックを強く鋭く打てたらな、というのはあった。世界選手権まで技術を磨いていきたい」と振り返った。

 前回の3冠は19歳だった。30歳半ばにしてなお、成長を続ける要因を「私が一番知りたい」としつつも、「心身のコントロールは、年を追うごとによくなっている感覚がある」という。練習をともにする大学生よりハードなウエートトレーニングをこなし、自分を褒める。気分転換の時間も取り入れ、競技生活にメリハリを付けている。

 優勝後のインタビューでは「負けることが当たり前の時期もあった」と打ち明けた。その時の自分にどう声を掛けたいか、との問いには「監督の言葉、自分の可能性をもっと信じて『やれることはまだまだあるんだぞ』と言ってあげたい」と答えた。若さのエネルギーだけでは決まらない、勝負の妙を知らしめたレースだった。【芳賀竜也】

毎日新聞

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