ソフトバンク・山本恵大が大きく前進 育成出身の苦労人がプロ初安打

2025/07/03 21:59 

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 ◇○ソフトバンク4―1日本ハム●(3日・みずほペイ)

 うれしい記念日になった。ソフトバンクの4年目、山本恵大がプロ初安打を含む3安打。プロ野球選手として大きな一歩を踏み出した。

 チームは試合前、主力の栗原陵矢らの出場選手登録を抹消した。代わって昇格した3人の中に山本の名前があった。

 6番右翼で先発出場し、二回の第1打席だ。前を打つ山川穂高に先制本塁打が飛び出し、「この勢いに乗っていこう」と相手先発・金村尚真の2球目の変化球を右前に運んでプロ初安打を記録した。

 四回の2打席目は中前打で好機を演出。六回の第3打席では、あと少しでプロ初本塁打というセンターフェンス直撃の二塁打を放った。「きょうはできすぎです」と謙虚に喜んだ。

 2022年に育成ドラフト9位で明星大から入団した25歳。今季は2軍で結果を残し、4月12日に支配下登録された。前日の夜に電話があり、翌朝の新幹線に飛び乗って1軍の試合がある千葉へ移動した。「支配下契約の印鑑は新幹線の席で押しました」というドタバタの昇格だった。

 しかしその時は結果を残せず2軍落ち。どこか夢心地で、「早く結果を出そうとなんでもかんでもバットを出していた」と反省した。そこで取り組んだのが高打率の維持と「待っていない球でも対応できるようにすること」だった。

 再昇格で即結果を出した。初安打の記念のボールは両親へ贈るという。「やっと野球選手になってチームに貢献できた感じがする、すごくよい一日でした」。2位に浮上した上り調子のチームとともに自身も成長していく。【林大樹】

毎日新聞

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