朝乃山「新しい相撲人生が始まる」 史上初の復活劇 大相撲秋場所
両膝には古傷を抱え、「もう若くない」と自覚している。それでも不屈の精神で再びはい上がってきた。
14日に初日を迎える大相撲秋場所(東京・両国国技館)で大関経験者の朝乃山(31)が十両に復帰する。2度にわたって三役から三段目まで転落し、関取に返り咲くのは史上初めて。
浮沈を重ね、かみ締めているのは相撲を取ることのできる喜びだ。【黒詰拓也】
7月26日の名古屋場所14日目。西幕下筆頭の朝乃山は、7番相撲で十両13枚目の大奄美を寄り切りで破った。
5勝2敗で十両復帰を確実とすると、土俵から下りてしばらく天を見上げた。花道を通って荒い息遣いのまま報道陣に囲まれ、ほっとした表情を浮かべた。
「けがなく終わることができてよかった。ただ、ここで終わりじゃない」。ゆっくりと語る姿に充実感を漂わせた。
2019年夏場所で富山県出身力士として103年ぶりとなる幕内優勝を達成し、20年春場所後に大関に昇進した朝乃山。その土俵人生が暗転したのは翌21年だった。
日本相撲協会が定めた新型コロナウイルス対策の指針違反で、名古屋場所から6場所出場停止処分を受けた。処分が明けた22年名古屋場所の番付は、大関から一気に三段目まで落ちた。
すぐに三段目優勝を飾って番付を上げていき、前頭筆頭だった24年春場所では9勝6敗と勝ち越した。
再び小結に就いた夏場所を前に、不運に見舞われる。右膝を痛めて、夏場所は全休を余儀なくされた。
続く名古屋場所は初日から土俵に上がって3連勝したが、4日目に今度は左膝を負傷して途中休場した。前十字靱帯(じんたい)断裂などの重傷だった。
手術を経て秋場所から3場所連続で休場し、復帰を果たしたのは今年春場所。またも三段目からの再スタートだった。
心が折れることはなかった。膝の故障で下半身が思うように動かせない間は、必死に上半身を鍛えた。
幕下14枚目で迎えた今年の夏場所を6勝1敗で終えると、宇良や金峰山、美ノ海らの関取を擁する木瀬部屋へ出稽古(でげいこ)に行った。「いろんなタイプの力士と相撲が取りたい」との思いからだった。
手応えをつかんで迎えた先場所。左膝を痛めてから、ちょうど1年がたっていた。
取組前にしこ名が呼ばれると、「朝乃山ー!」と、ひときわ大きな歓声と拍手が起きた。地元の富山県からは数十人がそろいの応援Tシャツを着て会場に駆け付けてくれた。
「本当にありがたい。来てくれた人、テレビの前にいる人が『見てよかった』と思う相撲を取りたい」と意欲を新たにした。
秋場所に向けて緊張感が高まり、不安になることもある。それでも「楽しみという気持ちが一番大きい」と笑い、気負いは感じさせない。
今月5日の朝稽古では、四股を200回ほど踏んでじっくり汗を流し、新十両の朝翠龍らと申し合いやぶつかり稽古を繰り返した。背中にべっとりと土をつけ、土俵に立ち続けた。
「まだ通過点。ここからまた新しい相撲人生が始まる。秋場所では2桁勝利を目指したいです」
心技体を充実させた実力者は、きっと秋の国技館を盛り上げる。
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