男子第７６回、女子第３７回全国高校駅伝競走大会（毎日新聞社など主催、ＳＧホールディングス特別協賛）は２１日、京都市のたけびしスタジアム京都（西京極陸上競技場）を発着点に男子が７区間４２・１９５キロ、女子が５区間２１・０９７５キロのコースで争われる。男女各５８校の選手が都大路を駆ける。

　２０日は、京都市体育館で開会式があり、各校のエントリー選手らが出席した。

　前回の女子で優勝した長野東の田畑陽菜主将（３年）は「師走の都大路を熱気に包み込む力強い走りで駆け抜けることを誓います」と選手宣誓した。

　開会式の前には監督会議があり、オーダーが承認された。レースは女子が午前１０時２０分、男子が午後０時半にスタートする。

　◇男子・仙台育英、大会記録更新視野に

　５０００メートルの自己記録１３分台の選手を多数そろえる仙台育英（宮城）が男子の優勝候補筆頭だ。２年前に佐久長聖（長野）が樹立した２時間１分０秒の大会記録の更新を視野に入れる。

　１区の菅野元太（３年）が先頭の見える位置でつなぎ、２区の台湾からの留学生・簡子傑（３年）で詰め、早ければ３区の鈴木大翔（３年）でトップに立つ想定だ。選手層が厚く、後半区間にも自信を持つ。

　仙台育英に対抗し、前半で先行を狙うのが学法石川（福島）と鳥取城北だ。学法石川は増子陽太（３年）と栗村凌（３年）、鳥取城北は本田桜二郎（３年）と村上遵世（３年）の二枚看板を１、３区に配置した。学法石川の松田和宏監督は「４区以降、いかに粘れるか」と話した。

　２連覇中の佐久長聖や西脇工（兵庫）、八千代松陰（南関東・千葉）も上位進出を目指す。

　最長区間１区には各校のエースが集う。全国高校総体５０００メートル優勝の西脇工・新妻遼己（３年）と増子、本田らが競り合う展開が予想される。前回大会で八千代松陰の鈴木琉胤（現早大）が出した日本選手最高記録の２８分４３秒を更新する可能性もある。【荻野公一】

　◇女子・３チームの優勝争いか

　女子は仙台育英（宮城）、大阪薫英女学院、長野東の３チームが優勝争いの軸となる。いずれも序盤２区間は力のある選手がそろい、３区以降が勝負の行方を左右しそうだ。

　仙台育英は１、２区に勢いのある１年生を置いた。１区の長森結愛は３０００メートルで９分４秒の好記録を持ち、釜石慶太監督も「物おじしない性格」と信頼を寄せる。３区のジェリ・ミリアム（２年）までにリードを広げたい。

　大阪薫英女学院は３区終了時点で仙台育英にリードを許す想定をしており、４区の田谷玲、５区の福本真生の２年生２人での逆転を狙う。

　連覇を狙う長野東は前回の優勝メンバー４人が残る。１区の川上南海（２年）がエースに成長し、前回１区区間賞の真柴愛里（３年）は３区に回った。

　立命館宇治（京都）は全国高校総体３０００メートルで日本選手トップの芦田和佳（３年）が１区を担う。埼玉栄や白鵬女子（神奈川）も予選で上位の記録を持つ。

　東大阪大敬愛（近畿）は世界選手権東京大会８００メートル代表の久保凜（３年）が２区に登場。最後の都大路での走りに注目だ。【深野麟之介】