中学で日本一左腕から四球 活躍刺激に コザ・兼島 高校ラグビー

2025/12/27 18:06 

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 ◇全国高校ラグビー大会1回戦(27日・東大阪市花園ラグビー場)

 ◇○鹿児島実22-14コザ●

 ラグビーでも沖縄に熱狂を――。8大会ぶりに花園に登場したコザ(沖縄)のロック・兼島たくむ選手(2年)は中学まで野球部。中学3年時の大会では、今夏の甲子園で沖縄尚学を日本一に導いた同学年のエース左腕・末吉良丞(りょうすけ)投手と対戦した。「(沖縄尚学の優勝で)盛り上がりがすごかった。自分も刺激になった」と力に変えた。

 花園での1回戦の相手は鹿児島実。終盤までもつれるも、14―22で惜敗した。フル出場した兼島選手は「相手にしっかり低くタックルできたのは良かった」と充実感をにじませた。

 沖縄市立安慶田中までは野球部に所属し、外野手だった。3年夏の大会で、浦添市立仲西中と対戦。相手に中学生とは思えないどっしりとした体格の左腕がいた。末吉投手だった。

 「めちゃくちゃ球が速かった」と兼島選手。兼島選手によると、第1打席で高めの球を見送り、四球を選んだ。「投げた瞬間、キャッチャーミットに球が入っている感覚。手が出なかっただけです」。残り打席は三振に倒れ、チームも大差で敗れたという。

 その後、兼島選手は元ラガーマンの父の影響もあり、ラグビーの道へ。末吉投手のその後は知らなかったが、夏の甲子園の初戦で「見たことがある人だ」と対戦を思い出した。

 末吉投手は2年生ながら本格派として躍動。沖縄尚学初の夏の甲子園制覇という快進撃で、周りのラグビー部員から「お前、四球とかすごいな」とうらやましがられたという。

 花園での1勝はならなかったが、得た手応えを持ち帰り、パワーアップするつもりだ。「来年は絶対勝ちます」【生野貴紀】

毎日新聞

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