大迫、日本勢トップも「まだまだ」 “世界”の背中遠く 東京マラソン

2026/03/01 20:02 

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 ◇東京マラソン(1日、東京都庁前―東京駅前)

 ◇大迫傑(リーニン)=2時間5分59秒(男子12位)

 一般参加ランナーの大逃げという意外な展開で、注目の「新旧日本記録保持者対決」はかすみかけた。

 それでも最後は日本記録を持つ大迫傑が前日本記録保持者の鈴木健吾を退け、日本勢トップの全体12位でフィニッシュ。大迫は「最低限の走りはできた」と、喜びも控えめだった。

 大迫ら日本選手は、海外招待選手による第1集団ではなく、日本記録(2時間4分55秒)更新を想定した1キロ2分56~57秒ペースの第2集団を選択した。

 序盤からレースは思わぬ方向に転がった。やや強い向かい風、横風の影響で第1集団のペースが遅れ、その隙(すき)を突くように一般参加の橋本龍一(プレス工業)が抜けだして25キロ過ぎまで一人旅を続けた。橋本、海外勢の後についた大迫ら日本勢は第3集団に。上位も日本記録更新も見込めなくなった。

 日本勢トップ争いは36キロ過ぎからようやく大迫、鈴木の一騎打ちの様相に。フィニッシュ直前に抜きつ抜かれつの競り合いを制したのが大迫だった。

 大迫は2025年12月の日本記録更新から、3カ月弱でのレースだった。異例の短いスパンで2時間5分台を記録し、「ここまで仕上げられたのはいい経験」と語る。一方で裏を返せば、それ以外の収穫が見つけづらかったとも言える。

 東京マラソンは世界有数の高速レースと呼ばれて久しいが、今回2時間3分~4分台前半でフィニッシュした海外勢の背中は依然として遠い。

 日本陸上競技連盟強化委員会の高岡寿成シニアディレクターは今回の東京マラソンについて、予期せぬ展開で大崩れしなかった大迫らを評価しつつ、「『世界』は高いところにある」と付け加えた。経験豊富な大迫も「『日本選手トップ』と言っている以上は、まだまだかな」と足元を見つめる。

 世界基準を体感できる、国内では貴重な機会。生かすも殺すも、日本選手の心構え次第だ。【岩壁峻】

毎日新聞

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