「奇跡のバックホーム」、横田慎太郎さんの母校に顕彰碑 鹿児島
プロ野球の阪神でプレーし、3年前、脳腫瘍のため28歳で亡くなった横田慎太郎さんの顕彰碑が、母校の鹿児島実業高校(鹿児島市五ケ別府町)に建立された。1日、横田さんの両親が参列する中、除幕式が開かれ、最後まで病魔と闘った横田さんの不屈の精神を後輩の野球部員たちが継承することを誓った。
横田さんは鹿実からドラフト2位で2014年に阪神に入団。3年目の16年には中堅手として開幕試合でスタメン入りするなど順調に才能を開花させた。
しかし翌17年に脳腫瘍が判明。入院治療を経て復帰を目指したが、ボールが二重に見えるようになり、19年限りで引退を決意した。故郷に戻り、闘病の傍ら講演活動などを続けたが、23年7月、亡くなった。ファームでの引退試合で中堅の守備から見せた本塁タッチアウトの送球をタイトルにした自伝「奇跡のバックホーム」はドラマ化、映画化された。
石碑は鹿実や出身の鹿児島県日置市などが中心となって企画した。資金の寄付を募り、全国670人から1000万円以上が集まった。日置市のJR湯之元駅前、そして鹿実の硬式野球場と向き合うように、横田さんが身上とした「諦めない心」と刻まれた石碑が建立された。
序幕式には自身もプロ野球のロッテなどで活躍した父真之(まさし)さん(63)と母まなみさん(64)が出席。真之さんは「野球でも大病した時でも『最後まで何があるかわからない』と諦めない心でいろんなことを乗り越えていた。その精神が顕彰碑を通じ、後輩たちにも伝わってほしい」と願った。
硬式野球部主将の井ノ上兼悟主将(3年)は中学時代に横田さんの講演を聴いたという。横田さんは既にうまく歩けず、舌が回らない状態だったが「あきらめてはいけない」と繰り返した言葉は、胸に残っているという。夏の甲子園を懸けた鹿児島大会は4日に開幕する。井ノ上主将は「先輩の言葉に力をもらえる。いい報告ができるように頑張りたい」と決意を新たにしていた。【藤野智成】
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