生も楽しめるマサバ 新ブランド「常陸乃国」 高校生も養殖に参画
養殖マサバの新しい茨城県産ブランド「常陸乃国まさば」が誕生したとして、養殖に携わった県立海洋高校の生徒や漁業関係者らが26日、大井川和彦知事を表敬訪問した。「常陸乃国」を冠した県産ブランドはイセエビやシラスに続き3番目で、高校生がブランド作りに参画するのは初めて。生食で楽しめるマサバとして、今後流通させる計画だ。【西夏生】
県によると、マサバは九州などで養殖されているが、東日本ではほとんど養殖されていない。単価が高く、需要もあることから、県では2022年からマサバの養殖を始めた。
ブランドを名乗れるのは県内で人工種苗から養殖され、人工飼料を与えられたマサバのみ。天然物には寄生虫「アニサキス」がいて生食は難しいが、飼料で育てる養殖物は刺し身でも食べることができる。
養殖には漁業者だけではなく、県立海洋高の水産クラブの生徒が携わっている。県が養殖に着手したのを聞きつけた前校長が生徒らに経験を積ませたいと考え、県に提案し実現した。生徒らは放課後に餌やりをして、魚の体重や体長を計測してデータ化するなど手塩にかけて育ててきた。
23年は1匹平均の重さが約320グラムで、1300匹のマサバを一部の小売店などに出荷した。24年はいけすを拡大。自動給餌器では魚同士がこすれてしまうため、生徒が手作業で餌を与えるなど工夫を凝らし、1匹約350グラムの大きなマサバが育っている。
12月中旬から25年1月にかけて、水戸市やひたちなか市の小売店などで約3000匹を試験的に流通させる。将来的には地元の名物として根付かせ、広く流通させることが目標だ。
水産クラブの宮田海斗部長(2年)は「昨年よりサイズも大きく、脂のりも良くておいしい。たくさんの人に食べてもらうとうれしいです」と笑顔を見せていた。大井川知事は「県内水産物の新しい顔として大いに期待している」と話した。
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