忘年会の定番ビンゴ、なぜ穴開け式? 貫き通すスタイルの理由
もうすぐ忘年会シーズン。場を盛り上げるツールとして人気のビンゴゲームといえば、穴だらけなのにビンゴに至らず景品を逃して悔しい思いをした人も多いだろう。そもそも手で穴を開けずに、印を付ける方法でもいいはずだが、なぜこの形なのか。
ビンゴはヨーロッパ発祥で、日本には第二次世界大戦後に米国から持ち込まれたという。海外のビンゴカードは、数字の上に専用チップを乗せたり、スタンプを押したりしているが、日本では穴開け式をよく見かける。
普及に大きな役割を果たしたのが、玩具製造販売の「ハナヤマ」(東京都千代田区)だ。1978年からハンドルで容器を回して番号入りのボールを取り出すビンゴマシンと穴開け式の紙のカードを製造販売した老舗。当時は経済成長に伴ってパーティー需要が高まっていた。
カードを紙の穴開け式にした理由は、印刷会社も経営していることから「再利用ではなく、使い捨てタイプにすれば、またカードをたくさん買ってもらえるから」(広報担当者)。手軽さが受けたのか、今やビンゴカードの主流になった。
パーティー需要に左右されるため、景気の浮沈や社会情勢を反映しながらトレンドも変化。バブル期には何十万円もする大型マシンやデジタル表示タイプも開発した。
パーティーで大人数が参加しても同じタイミングでビンゴにならないよう、カードも6000通りまで増やした。一方、景気悪化時や新型コロナウイルス禍の際は、少人数向けの商品が売れたという。
現在は「コロナ禍からの回復もあり、デジタル式の大型ビンゴマシンを開発中です」と担当者。ただトレンドが変わっても「穴開け式」は今後も不変という。【植田憲尚】
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