日鉄、米政府を提訴へ 「法令違反」USスチールと共同声明

2025/01/04 10:00 

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 バイデン米大統領が買収中止命令を出したことを受け、日本製鉄とUSスチールは3日、「明らかに政治的な判断だ」とする共同声明を発表した。今回の判断は適正な手続きが取られず、法令違反だとして米政府を提訴する方針を明らかにした。

 声明で両社は「この決定はバイデン大統領の政治的な思惑のためになされたものであり、米国憲法上の適正手続きと、対米外国投資委員会(CFIUS)を規律する法令に明らかに違反している」と批判し、「法的権利を守るためにあらゆる措置を追求する」と表明した。

 声明は「日鉄による買収は、米国の国家安全保障を弱体化させるのではなく、強化するものであることは明らか」として、買収計画が米国鉄鋼業界全体に利益をもたらすものであると主張した。

 その上で「同盟国である日本をこのように扱うことは衝撃的で、非常に憂慮すべきことだ。米国へ大規模な投資を検討しようとしている米国の同盟国を拠点とする全ての企業に対して、投資を控えさせる強いメッセージを送るものだ」と外交関係にも言及しながら厳しく非難した。

 「我々は決して諦めない」とも述べ、米政府に対する提訴を含め対応策を講じる考えを示した。【道永竜命】

毎日新聞

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