1個5500円! 関空で飛ぶように売れる神戸牛「おにぎりバーガー」

2025/01/05 12:00 

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 離陸する航空機を眺めながら、搭乗を待つ旅客が1個5500円の神戸牛の「おにぎりバーガー」にかぶりついていた。神戸牛のステーキをご飯とのりで挟んだ最高級のバーガーは、関西国際空港の国際線の搭乗口近くに2023年12月に登場した。訪日外国人の人気を集め、週末は1日限定80個が飛ぶように売れる。

 買い求めた中国・深圳の会社員、ヘンリー・チェンさん(58)は「中国でも神戸牛はとてもおいしいと有名なので、価格が高いとは感じない。京都の三つ星レストランで食べた神戸牛と変わらない味だった。旅の最後の場所となる空港でおいしいものを食べられた」と満足そうだった。

 店舗のブランディングディレクターの吉川靖師さん(61)は「大阪や京都の名店の協力を得て本物の味を提供し、この価格でも購買意欲の高い訪日外国人は買ってくれる」と説明する。吉川さんは大阪・関西万博を機に米国からの旅客の増加を期待し、「本場の米国での出店につなげたい」と語る。

 関空の24年4~9月の外国人旅客数は947万人と年度上半期として開港以来の過去最高を記録した。旺盛な訪日需要を取り込もうと、同年12月にピーチ・アビエーションは関空―シンガポール便を開設し、ジェットスター・ジャパンも関空―台湾・台北便を1日2往復に増便した。南海電鉄は関空と難波駅間の輸送力強化を図るため同月にダイヤ改正し、停車駅が少なく最短34分で結ぶ空港特急「ラピートα」を大幅に増便したほか、空港急行の編成車両や運行の本数を増やした。

 万博開催中、大阪府泉佐野市は関空の対岸部のりんくうタウンに仮設の全国物産館「まるかじりJAPAN」(2階建て、約320平方メートル)を整備する。地元だけでなく全国50以上の自治体の特産品やご当地グルメを販売する。イベントを月1回開き、花火も打ち上げる。同市の新谷洋史・大阪万博担当理事は「関空を利用する国内外の旅客に来てほしい」と期待する。【中村宰和】

毎日新聞

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