USスチール買収審査の米財務長官「通常通り調査し、大統領が決定」

2025/01/09 02:25 

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 日本製鉄によるUSスチール買収計画を審査した対米外国投資委員会(CFIUS)議長のイエレン米財務長官は8日、「我々は要求通りに分析結果を大統領に提出し、大統領がこの問題を決定した」と述べ、CFIUSの手続きに問題はなく、最終判断はバイデン大統領に委ねられたとの認識を示した。

 イエレン氏は「CFIUSはいつもと同様、詳細に調査し、大統領に報告するため徹底的な分析を用意した」と説明。「本件は重要な案件だ」との認識を示しつつ、「現在訴訟中であり、CFIUSトップとして言えることがほとんどないのを残念に思う」と述べた。

 米CNBCテレビのインタビューに答えた。バイデン氏が買収計画に対し中止命令を出した後、イエレン氏が公式にコメントするのは初めて。

 CFIUSは日鉄の買収計画に国家安全保障上のリスクがないか審査したが、期限までに見解をまとめられず、12月下旬に判断をバイデン氏に一任した。米メディアによると、イエレン氏やブリンケン国務長官ら複数の政権高官は「買収に問題はない」との見解を示していたという。

 日鉄とUSスチールは6日、中止命令は不当としてバイデン氏やイエレン氏を米裁判所に提訴した。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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