チェキ、販売台数1億台を突破 一時低迷、なぜ起死回生できたのか
富士フイルムは、自社製品のインスタントカメラ「チェキ」が、1998年の発売以降、累計販売台数1億台を突破したと発表した。カメラ付き携帯電話などの普及で一時低迷したが、現在100カ国以上で販売され、関連商品を含む売上高は過去最高を記録。スマートフォンでの写真撮影が一般的となった現代で、なぜチェキが選ばれるのか。
カメラと印刷機能を併せ持ち、撮ったその場でプリントできるチェキ。写真の余白にメッセージを書いて贈ったり、贈られたりしたことがある人は多いだろう。正式名称は「instax(インスタックス)」といい、「チェキ」は「check it」に由来する国内の愛称だ。
カメラが高級品だった80年代に、安価でかばんに入れて持ち運べる手軽さなどからブームになったのが、富士フイルムのレンズ付きフィルム「写ルンです」。90年代には、撮影した写真がシールになるプリントシールが流行した。そうしたコンパクト性とエンターテインメント性を組み合わせて誕生したのがチェキだ。
2002年度には国内を中心に年間販売台数が100万台を超え、順調に販売数を伸ばしていたが、カメラ付き携帯電話やデジタルカメラの普及で04年度には10分の1の10万台まで減少した。結婚式で使われるなど一定の需要に支えられていたものの低迷が続いた。
そんなチェキに転機が訪れたのは07年ごろだ。
韓国ドラマでチェキが使われたことをきっかけに、韓国を中心にアジアで人気が拡大。富士フイルムが分析したところ、撮ったその場で「モノ」として写真が出てくるチェキが新しい価値として受け入れられていることがわかった。「写真をその場で手渡し」できる強み。チェキの可能性を見いだした同社は、マーケティングや商品企画を強化、巻き返しに転じた。
先陣を切ったのが、12年に「世界で一番カワイイカメラ」として売り出した「インスタックスミニ8」。パステルカラーの色合いで、触れ込み通り見た目のかわいらしさが受けて世界的なヒットとなった。スマホで撮影した写真をアプリから転送して印刷できる「スマホプリンター」(初代は14年発売)といった関連商品や、撮影した画像を選んでプリントできるなどデジタル機能を備えた「ハイブリッドインスタントカメラ」(同17年発売)を投入。発売から46機種ほどが登場している。
若年女性がメインターゲット層だが、スポーツやゲームといった異業種企業との協業を進め、写真の新しい楽しみ方を提案するなど、需要の掘り起こしにも積極的だ。「男性やミドル、シニア層にもファンが広がっている」(同社広報担当)という。23年度のチェキ本体や関連商品の売上高は過去最高となる1500億円。「24年度も過去最高を更新する見込み」と話している。【嶋田夕子】
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