万博のブルーインパルス飛行に国産SAF CO2削減の燃料アピール

2025/04/11 08:30 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 大阪・関西万博で、国内で初めて大量生産されたSAF(持続可能な航空燃料)が使用される。開幕日の13日正午ごろ、夢洲(ゆめしま)会場の上空で実施される航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の展示飛行の燃料となる。万博は「脱炭素」がテーマの一つで、脱炭素社会の実現に向けた取り組みをアピールする。

 供給するSAFは、廃棄された食用油を再利用している。化石燃料由来のジェット燃料に比べ、二酸化炭素の排出量を約8割削減できるという。

 国の支援を受けて2021年からコスモ石油と日揮ホールディングス、廃油再生に強みを持つレボインターナショナルが製造技術や供給網の整備を進めていた。3社が22年に設立したサファイアスカイエナジーが、堺市でSAFの製造を担う。

 今年3月に製造プラントが完成。4月から生産を始め、今年度は約3万キロリットルの供給を目指す。すでに全日空と日本航空、フィンエアー、デルタ航空、物流大手DHLと売買契約を結んだ。30年までに生産能力を年30万キロリットルまで高める目標を掲げている。

 コスモ石油マーケティングの高山直樹社長は「地元大阪・堺製のSAFが利用されることを大変うれしく思う。今後ともSAFを活用した脱炭素社会の実現を後押ししていきたい」とコメントしている。【中島昭浩】

毎日新聞

経済

経済一覧>

写真ニュース