路線価、4年連続上昇 過去最大の2.7% インバウンドがけん引

2025/07/01 11:00 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2025年分の路線価(1月1日時点)を公表した。全国の平均変動率は4年連続で上昇し、前年比の上昇率は2・7%だった。住宅需要が堅調な都市部や、インバウンド(訪日外国人客)から人気の観光地がけん引し、現在の計算方法になった10年以降、最大の上昇率となった。

 都道府県別では、前年より6多い35都道府県で上昇した。上昇率トップは東京(8・1%)で、沖縄(6・3%)、福岡(6・0%)と続いた。宮城、神奈川、大阪は4・4%と同率で4番目に高い数値となった。

 一方で、12県は前年より下落した。奈良(1・0%)、和歌山(0・7%)、新潟(0・6%)の順に下落率が大きかった。

 都道府県庁所在地の最高路線価は35都市で上昇し、11都市が横ばいだった。上昇率トップはさいたま市(11・9%)で、千葉市(11・2%)、京都市(10・6%)が続いた。唯一下落した鳥取市は、マイナス3・2%だった。

 全国に524ある税務署別の最高路線価では、インバウンドや富裕層から人気の長野県白馬村の村道和田野線が前年比プラス32・4%(1平方メートルあたり4万9000円)と、2年連続で全国トップの上昇率。今回は初めて24年1月の能登半島地震の影響が路線価に反映され、石川県輪島市河井町の朝市通りは前年比マイナス16・7%(同3万5000円)と、下落率が最も大きかった。

 全国トップの最高路線価は、40年連続で東京都中央区銀座5の文具店「鳩居堂」前にある銀座中央通り(1平方メートルあたり4808万円、前年比プラス8・7%)だった。【佐藤緑平】

毎日新聞

経済

経済一覧>