米ファンド、関家具を買収へ 「家具の街」福岡・大川の基幹企業

2025/09/17 16:29 

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 米国の投資会社「Lキャタルトン」が「家具の街」として知られる福岡県大川市の基幹企業「関家具」(春田秀樹社長)を買収することが17日、判明した。買収額は数十億円の見通し。9月末までに関家具の株の過半数を取得する予定。

 関家具は1968年に現在は同社会長である関文彦氏が創業した。全国の家具店など約4700軒に家具を卸し、2024年5月期の売り上げは185億円。

 一方、Lキャタルトンは89年設立で、仏の高級ブランド「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」(LVMH)も出資している。日本を含む世界18カ所に拠点を持ち、一般消費者の使用を目的とした製品やサービスを提供する業界に特化した投資会社だ。

 今回の投資により関家具の店舗やEC(電子商取引)の拡大やオフィス、ホテル、レストランなどへ販路を広げる狙いで、17日までに両社が戦略的資本提携に合意した。買収後も社名は変わらず、春田氏が社長を務め、関会長は名誉会長兼名誉創業者に就く。

 春田社長は「豊富な投資実績を有するLキャタルトンと協働し、さらなる成長を実現していく」、Lキャタルトンの清水俊孝・日本代表は「57年間、着実な成長を遂げた関家具と次なる成長ステージに向け伴走できることを光栄に思う」とコメントしている。

 関家具は延伸が進む有明海沿岸道路(大牟田市の三池港IC~佐賀市の諸富IC)の大川東インターを降車後すぐに目に飛び込んでくる店舗と看板は「家具の街」の象徴だ。【降旗英峰】

毎日新聞

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