外国人育成就労の「転籍」制限期間、8分野で2年間に 政府案公表

2025/09/17 16:38 

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 政府は17日、外国人技能実習に代わる新制度「育成就労」で、外国人労働者に職場を変える「転籍」を認めるまでの制限期間の素案を明らかにした。対象17分野のうち建設や介護など人材の育成に時間が必要な8分野は2年、その他9分野は1年とする方向で検討を進める。有識者会議での議論を踏まえて年内の正式決定を目指す。

 技能実習制度では原則3年間、転籍ができず、「悪質な実習先から逃れられない」「実習生の失踪要因になっている」との指摘が出ていた。2027年4月からのスタートを目指す育成就労制度は、人手不足が深刻な分野で未熟練の外国人労働者を受け入れ、一定の要件を満たせば1~2年で転籍を認める。分野ごとの具体的な制限期間が検討課題となっていた。

 出入国在留管理庁などが17日の有識者会議に示した案によると、介護▽建設▽工業製品製造業▽造船・舶用工業▽自動車整備▽飲食料品製造業▽外食業▽資源循環――で転籍制限期間を2年とした。一定の日本語能力があることを転籍の要件とする。企業側には就労開始から1年経過後、昇給など待遇の向上を図ることを義務づける。

 転籍制限期間が1年の9分野は、ビルクリーニング▽リネンサプライ▽宿泊▽鉄道▽物流倉庫▽農業▽漁業▽林業▽木材産業。【巽賢司】

毎日新聞

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