高市首相、追加利上げに難色示す 日銀・植田総裁との会談で
高市早苗首相が日銀の植田和男総裁と16日に会談した際、追加利上げに難色を示していたことが分かった。複数の関係者が毎日新聞の取材に明らかにした。日銀は「金融正常化」や円安対応で追加利上げが必要との認識だが、衆院選圧勝で政権基盤を固めた首相との関係で、難しい対応を迫られそうだ。
首相と植田氏は16日、首相官邸で約15分会談した。首相は18日の記者会見で「経済・金融情勢に関する定期的な意見交換の一環として行ったもので、それ以上の具体的なやり取りについてコメントは差し控える」と述べ、具体的な内容について言及を避けた。そのうえで「日銀には引き続き政府と密接に連携を図って、コストプッシュではなく賃金上昇を伴った2%の物価安定目標の実現に向け、適切な金融政策を期待している」と述べていた。
一方、植田氏は16日の会談後、記者団に「具体的な内容は話せないが、細かい定期的な一般的な意見交換ということでお会いした」と説明。首相から金融政策についての要望は「特になかった」と述べていた。
だが、複数の関係者によると、首相は追加利上げに難色を示した。具体的な発言内容は不明だが、「(2025年11月の)前回の会談の時より厳しい態度だった」という。
首相は利上げなど金融引き締めに否定的な考えを持っているとみられ、金融緩和と財政拡張を志向する「リフレ」派の有識者を政府の経済財政諮問会議の民間議員に起用している。25年10月の自民党総裁就任時の記者会見では「財政政策にしても、金融政策にしても責任を持たなきゃいけないのは政府だ」と述べ、日銀の金融政策決定に、政府が関与する考えを示唆していた。
日銀は25年12月会合で約1年ぶりの利上げを決めた。政策金利は0・75%程度と約30年ぶりの高水準になったが、「まだ金融緩和の状態」との認識で、利上げを続ける方針を示している。
市場では、日銀が6月会合までに追加利上げに踏み切るとの見方が多い。外国為替市場での過度な円安を食い止める狙いから、早ければ次回3月18、19日の会合での利上げ観測も出ているが、政府との調整が難航する可能性がある。【高橋祐貴、古屋敷尚子】
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