東電旧経営陣の裁判記録「永久保存を」 告訴団が東京地検に要請

2026/04/16 10:48 

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 東京電力福島第1原発事故を巡り、被災者らでつくる福島原発告訴団が15日、東電旧経営陣が業務上過失致死傷罪で強制起訴された刑事裁判記録を永久保存するよう東京地検に申し入れた。告訴団は県庁で記者会見し、「将来の教訓とするためにも散逸させてはならない」と訴えた。

 この裁判は、事故による東電旧経営陣の刑事責任を問う唯一のケースだった。1、2審とも無罪とされ、25年3月に最高裁が上告を棄却して無罪が確定した。

 会見で告訴団の武藤類子団長は、裁判の過程で「なぜ事故が起きたのかが分かる多くの事実が明らかになった」と指摘。国の長期評価で巨大津波の可能性が示され、東電内部でも対策を検討していた経緯が判明するなど、重要な証拠が積み重なったと強調した。

 刑事裁判記録は、捜査段階の供述調書や証拠資料、公判での証言など事件の全体像を示す一次資料を指す。確定後は一定期間が経つと廃棄されるが、重要事件では「刑事参考記録」として保存される。東京地検に提出した要望書では「原発事故という国の根幹を揺るがす事態を検証した唯一無二の資料だ」とし、歴史的検証の基盤として残す必要性を訴えた。

 さらに、法廷に提出されなかった供述調書などにも重要な内容が含まれるとし、「それらも含めて保存すべきだ」と求めた。【松本光樹】

毎日新聞

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