菅田将暉、気仙沼の観光キャラクター「ホヤぼーや」と再会に笑顔「これから羽ばたいてください」

2025/01/19 08:50 

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映画『サンセット・サンライズ』(公開中)(左から)宮藤官九郎(脚本)、ほやボーヤ、菅田将暉、岸善幸監督

 俳優の菅田将暉が18日、宮城県仙台市にある映画館、MOVIX 仙台で主演した映画『サンセット・サンライズ』(公開中)の舞台あいさつに登壇。岸善幸監督、脚本を手がけた宮藤官九郎、さらにスペシャルゲストとして、撮影地の宮城県・気仙沼市の観光キャラクター「ホヤぼーや」も登場した。

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 映画の舞台は南三陸で、撮影の大部分を宮城県で行った本作。都会から移住した釣り好きサラリーマン・西尾晋作(菅田)と、宮城県・南三陸で生きる住民との交流や、人々の力強さや温かさをユーモアたっぷりに描き、その背景にあるコロナ禍の日本、過疎化に悩む地方、震災などの社会問題と向き合いながら豊かなエンターテインメントに転化させたヒューマン・コメディ。

 映画の撮影から約1年ぶりの“凱旋”となった菅田は「一番観てほしかった皆さんに観てもらえたのがうれしい」、岸監督は「被災地で被災された方の映画を観てもらうことに緊張していました。(温かい反応に)ほっとしています」と打ち明けた。そして、宮城県出身の宮藤は、「『あまちゃん』を書いた時に、みやぎ絆大使なのに、なぜ宮城の話じゃないのかと言われて…。今日これでやっと安心しました」と話し、会場を沸かせた。

 晋作がお試し移住をした宇田濱町は、港をはじめ、魅力的な情景がたくさん登場。撮影現場の気仙沼市には、2023年秋に約1ヶ月滞在しながらの撮影だった。菅田は、撮影の合間に、散歩や、買い物をして、町を巡っていたという。気仙沼のお土産店にはよく足を運び「氷の水族館」では「氷でできたほやボーヤと写真を撮ったんです」とうれしそうに話した。

 また、作品内に登場する水彩画は、実際に菅田が描いたもの。岸監督は「作品の中で晋作のことを一番理解し、晋作が描く絵を描けるのは菅田君だった」と依頼。菅田は、撮休も使って、練習しながら描き上げたと話した。

 東北ならではの個性的なキャラクターが登場し「東北あるある」も満載な本作品。印象的なシーンについて、宮藤は、撮影中に現場を訪れ立ち合っていたシーンをあげ「晋作が居酒屋でソーシャルディスタンスを気にして後ずさるシーンが面白かったです。ディスタンスの取り方がうまくて感心していたんです」と話し、岸監督は「方言の『け』や『こ』で会話するシーン。菅田くんの体のラインが…(笑)」とにこにこ。菅田から「ほんっとそこ好きですよね」とつっこまれながらも、岸監督は「面白かった。編集しながらも笑った」と話した。

 特に「芋煮会」のシーンについて聞かれると、宮藤は、「原作には出てこないけど、芋煮会って大人が腹を割って話せる機会なんじゃないかと気が付いた。芋煮会のシーンで竹原ピストルさんの『ただ来て、おいしいものを食べて帰ればいいんじゃない』というせりふは、風化していく震災について、実際に石巻で取材したときに現地の人から聞いた言葉なんです」と明かした。

 岸監督は「あのシーンを読んだ時、宮藤さんのふるさとに込めた思いが伝わってきた。キャストの皆さんが方言で気持ちを吐露している。現場でも涙しました。あのシーンを撮るためにこの映画を撮った」と熱い想いを打ち明けた。

 菅田は、「あの場面は、自分もすごいせりふがあって…。役柄としてどう表現するか悩んだ、とても印象に残るシーンです」と感慨深く話した。 

 本作は「飯テロ映画(!?)」と言えるほど、三陸の新鮮な魚を使った料理が魅力的に登場する。「間違いなく一番料理を食べた」という主演の菅田は、「もう一度食べたい料理」を聞かれると、「モウカノホシ(ネズミザメの心臓)」と即答。「(今は食べられない)生レバーが大好きだった人間としては、ほぼ生レバーみたいでおいしかった。また食べたいです」と笑顔で話した。

 作品中の「モウカノホシ」「ハモニカ焼き」などの個性的な料理は、監督がロケハンで見つけたもので、脚本にはなかった料理。ほかにも「あざら」や「やきがぜ」などの名前も上がり、「おいしかった」「お土産でも買った」などとひとしきり盛り上がったが、岸監督から「ちょっと待って。(やきがぜ)は作品に出てきていない」とツッコミが。キャスト・スタッフは作品に出てくる以上のご当地グルメを楽しんでいたようだ。

 最後のあいさつでは、「宮城を舞台に、震災とコロナというシリアスな問題ながら、ハートフルなコメディに仕上げました。自分としては頑張った作品です」と宮藤。「宮城県生まれの父親が昨秋亡くなり、家族を失うことについて思いを込めて作りました。映画を観て良いと思ってくださったらSNSなどでたくさん拡散してください」と岸監督。菅田は「舞台となったその土地のよさを広めることができるのも映画の良さだと思いました。ほやボーヤもこれから羽ばたいてください」と、気仙沼から駆け付けたほやボーヤへのエールも忘れなかった。

 なお、本作の公開を記念し、岸監督と宮藤、二人を引き合わせた佐藤順子プロデューサーが出演するオンラインスペシャルトーク番組「映画『サンセット・サンライズ』の隠された秘密スペシャル」が、24日午後8時30分から生配信されることも決定している。公式SNSでは質問も募集している。
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