梶芽衣子60周年コンサート『セッテ ロッソ』 新曲「き・せ・つ」が、胸を打つ 【ライブレ…

梶芽衣子60周年コンサート『セッテ ロッソ』より

【ライブ写真】「自分でも信じられない…」梶芽衣子60周年コンサート
今年は昭和100年という節目の年だが、梶芽衣子は昭和22年(1947年)3月24日、東京・神田の生まれ、78歳になる。日活の俳優として契約したのが昭和40年(1965年)のことで、今年2025年で芸能生活60年目を迎えたのだ。
昨年、LPアナログと配信のアルバム『7(セッテ)』が発売され、6年ぶりのライブが東京で行われたが、多くのファンからCDリリースの要望が巻き起こった。
そこで『7(セッテ)』全曲と2018年発売の『追憶』から5曲をプラスし、さらに新曲「き・せ・つ」を加えた全17曲の『7 rosso(セッテ ロッソ)』を3月26日に60周年記念アルバムとしてリリースした。ちなみに7 rosso(セッテ ロッソ)とは、梶芽衣子が17歳でデビューしたこともあり、“7”はこだわりの数字で、ロッソは60周年の還暦を祝う“赤”の意味である。
今回はみんなで梶芽衣子を祝うコンサートだ。500席を埋め尽くした観客の年齢層は幅広く、なぜか若い外国人の姿が目立つ。オープニングは『7(セッテ)』からロック「愛の剣」。そして「ブレナイ」「ひらひら」と続くが、これは『追憶』の収録曲。ステージ衣装は白いパンツに白いショートコート、映画やドラマで見るような颯爽とした俳優の存在感で歌い終えた。すごく声が出ていてパワフルだ。
MCでは、「みなさん、ありがとうございます。もう自分でも信じられないんですけど、大好きな仕事を60年も続けるとは思っていませんでした」と語る。
バックバンドは昨年と同じメンバーであるISAO TANAKA(Gt.)、ICHIRO(Ba.)、KANGO ANZAI(Dr.)酒井ミキオ(Key.)、そしてアルバムのサウンドプロデュサーでもある鈴木慎一郎(Gt.)が音楽監督を務めている。
続いて「女…」「虫ケラたちの数え唄」などが続く。歌詞が映画での大事な場面のセリフのようにひしひしと伝わり、その表現力が梶芽衣子の歌の魅力なのだと思う。これは誰も真似できない。
「私ね、いつもライバルなんかいないのよ。おのれがライバルなの」
そんなことも話しつつステージ左を向き、「あそこにいる鈴木慎一郎ですが…、彼が28年ずっとやっていた『鬼平犯科帳』が終わったらすぐに来たんですよ。芽衣子さんに歌を作りましたって。私は掛け持ちが実は嫌いなことを慎ちゃんは、ちゃんと知っていて、でも聴いたら、あれロックじゃない、あなた私をいくつだと思っているのって(笑)」
そのアルバムが『追憶』で、久しぶりのオリジナルフルアルバムとなった。それまで、ベストアルバムなどは発売していたが、本格的に活動を再開したのは『鬼平犯科帳』(フジテレビ系/1989年~2016年放送)が終了してからのことだ。
鈴木慎一郎の父、鈴木正勝も音楽プロデューサーで、親子で梶芽衣子を手がけている。そんなこともあって慎一郎はその後、付き人の修業もし、ロックバンド(BLOOD/exCRAZE)ばかりではなく、今や音楽プロデューサー、ソングライター、ギタリストとマルチで活躍している。
ステージ後半に入ると「役者」を酒井ミキオのピアノで歌う。これは鈴木慎一郎の作詞・作曲によるもので、続いて披露した新曲「き・せ・つ」も鈴木の作詞・作曲なのだが、「役者」同様、梶芽衣子の歌のスタイル「一人称独自形式」の魅力が十分に生かされ、梶芽衣子の人生のようで胸を打つ。これは今後、彼女の代表作になるのではないか……。
「いつもお元気で本当に驚かされます」と、鈴木とのステージ上でのやりとりのなか、「同級生にバケモンだって言われているんだけど、それは精進してますよ(笑)」
会場がふわっと温かくなった。
終盤は「修羅の花」、ちあきなおみの港の酒場を舞台とした「かもめの街」を歌い、これも情景が浮かんできた。そして本人お気に入りの「追憶」を歌い終えると、京都撮影所のことを静かに話し始めた。
「撮影のとき、私より年配のエキストラの男性の方が樽をかついでいて、私のそばでよれっとして、『大丈夫ですか』って話したら、『やめてください』っておっしゃって立ち上がりました。その日は夜も撮影があり、支度しながら部屋にいたら、その方がスーツを着てネクタイをしめて、それで、『先ほどはご無礼しました、私はエキストラという端っこの存在でございます』って、土下座しているんですよ。私がお礼を言うと、そのまま行ってしまい、その姿を私、ホテルのお風呂の中で思い浮かべてしまい、もう涙が止まらなかったんです」
話は続いた。
「私はどんな小さい役でも名前は出ますよ。エキストラの方は違います。でも映画という仕事に誇りとプライドがあるんです。私にあんなに誇りとプライドがあるかしらって、そんなこと思ったら、私なんかまだまだだという感じですよ。なんて罰当たりなんだろうと思って、今は本当にいただける仕事、この年齢になってもできる仕事は喜んでやらしていただいています。
そして、映画に関して本当は最後にもう1本だけやりたい。やっぱり主題歌を歌えるような…」
エンディングは「怨み節」。観客はその歌ばかりではなく、俳優・歌手の梶芽衣子の生き方に、鳴り止まないほどの拍手を送った。
公演終了後に若い外国人にインタビューした。ロシア人のアレックスさんは32歳。映画『キル・ビル』(クエンティン・タランティーノ監督/2003年)を大人になってから観て、劇中歌として使用された梶の「修羅の花」に感激し、以来、彼女の昔の歌謡曲もポップスも聴くようになったという。任侠を理解していた。
さて、今度は5月10日、大阪のビルボードでライブが行われる。京都に馴染みのある梶芽衣子にとって、関西のファンは特別だ。
文・松木直也
■ライブ情報
梶芽衣子 60周年コンサート『セッテ ロッソ』
5月10日 (土):大阪・ビルボード大阪
1st Stage Open 14:00 Start 15:00
2nd Stage Open 17:00 Start 18:00
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